3つのタイプの「仕事日」
受け取るメールは70通――マイクロソフトCEOの1日とは
2008/03/07
マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOを突き動かしているものは何か、マイクロソフトのトップとして、同氏が日々何をしているか、疑問に思ったことはないだろうか?
多くの人がそんな疑問を持ったことがあるだろう。3月5日に年次MIXカンファレンスで行われた対談で、司会の元アップルフェローでGarage Technology Ventures役員のガイ・カワサキ氏は、バルマー氏にこの疑問をぶつけた。
バルマー氏は、自分を突き動かしているものは主に3つあると答えた。まず、同氏は自分の仕事が好きであり、マイクロソフトが世界を変える技術を作り出す最前線にいることを喜んでいる。
次に、世界で最も賢明でエネルギッシュな人々と一緒に仕事をする機会がある。最後に、やりがいのある仕事が楽しく、「そういう仕事を経験してきた」という。
バルマー氏は、同氏の仕事日には3タイプあると語った。1つは、1日中オフィスの外で顧客と会う日。活力をもたらす仕事だという。次に、オフィスで次から次へと会議をこなす日。それから会議が1件程度の静かな日。こういう日には、調べ物をしたり、自身にとって重要なことを考えたり、実行したりする。
また、同氏が1日に受け取る電子メールはわずか70通程度で、フィルタを使って処理していないという。ほとんどの電子メールは自分で返信するか、返信できる人に転送している。
ビル・ゲイツ会長が今夏、フルタイムで財団の仕事に移ることについては、ゲイツ氏に「マイクロソフトでパートタイムで働いてもらうこと」にどんな意味があるのか分からないとし、マイクロソフトはすでにいくつもの点で変わっており、皆が常にそれに気付いているとは限らないと指摘した。
「今日の技術革新の多くはビルがもたらしたものではない。ほかの人によるものだ。全体として、部分部分を足し合わせたものよりも、もっと大きくならなければならない。それは(チーフソフトウェアアーキテクトの)レイ・オジー、(研究戦略責任者の)クレイグ・マンディ、私に加えて小さなリーダーシップチームから生まれるだろう」(バルマー氏)
Vistaの状況を聞かれたバルマー氏は、「当社の歴史において2番目に人気のあるOSのことかな」と語り、カワサキ氏はそれに対して「そう、それしかない」と答えた。
バルマー氏は、Vistaはコンシューマー市場では非常に人気が高いとしつつも、アプリケーションやハードウェアの互換性に問題があることは認めた。「アプリケーションの品質を犠牲にしてセキュリティを高めることを選択した。顧客は、それが苦痛を引き起こしたと言っている」
優れた企業は前進するか、さもなければ影響力が弱まるかのどちらかだと同氏は語り、マイクロソフトは前進を続けると付け加えた。ほとんどの企業は、マイクロソフトとは違って1つのスキルセットしか構築しなかったと同氏は述べた。
カワサキ氏がそれに異論を唱えると、バルマー氏は「この前確認した限りでは、多くの政府機関が、当社が高い市場シェアを持っていると思っている」と冗談を言った。「特にEUで」とカワサキ氏は返した。
「ノーコメント」とバルマー氏。
同氏はWebブラウザ市場に関して、Firefoxはこの数年でシェアを築いてきたが、マイクロソフトはWebブラウザに大きく投資していると語った。「IE8の情報は少ししか見せていない。これからもっと出てくる。当社が革新的なWebブラウザ技術をもっと提供すると期待してほしい」
Mac向けにInternet Explorer(IE)を提供するかという質問に対しては、マイクロソフトにとっては、MacにWebブラウザを移植するよりも新しい革新に取り組む方が賢明だと同氏は答えた。
(eWEEK Peter Galli)
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