3PARが自社製品のメリットをアピール
SATAドライブは基幹システムに使える
2008/03/24
ストレージベンダの3PARは3月18日、国内で「Nearline for Online」を発表した。これは新たな製品や技術というよりも、同社ストレージを選択する具体的なメリットを分かりやすく提示し、ユーザー企業のストレージについての考え方を変えてもらおうという試みだ。
Nearline for Onlineは、企業システムにおいて、SATAディスクドライブを重要なアプリケーションにも使うことができるというメッセージだ。SATAディスクドライブは大容量で安価なことが特徴だが、高速性や信頼性の点でファイバーチャネル・ディスクドライブやSASディスクドライブに劣るとされる。このことから、企業のサーバにおいて通常はアプリケーションが直接書き込みや読み出しを行うメインのストレージとしてではなく、バックアップやアーカイブなどの二次ストレージとして使われている。しかし、3PARが同社のストレージに組み込んでいる技術を生かせば、SATAドライブの欠点を克服できるという主張だ。ミッションクリティカルなシステムも含めてほとんどのストレージ・ニーズをSATAドライブでカバーできれば、ユーザー企業はバイト単価の圧倒的に低いドライブに統一することで、コストを大幅に削減できる。さらに同社ストレージの特徴的な機能である「シン・プロビジョニング」を活用すれば、当面使われない余分なディスク容量を前もって大量に調達する必要はなくなる。ディスクの実消費量に合わせて、徐々に買い足していけばよいということになる。
では、SATAドライブにおける高速性と信頼性の問題を、3PARのストレージはどう解決しているのか。同社のストレージは当初からデフォルトで、搭載している同種ドライブすべてを単一のドライブセットとして利用し、全ドライブにデータをストライプ書き込みする仕組みだ。搭載ドライブ数が多いほどデータが分散して同時に書き込まれるため、パフォーマンスが向上する。「当社の製品でSATAドライブを使うほうが、従来型の製品でファイバチャネルを使うよりもパフォーマンスが高いことは、多くの顧客が知っている。当社ではSATAドライブの検証方法を変えて、デスクトップPC用のSATAドライブではなく、エンタープライズクラスのSATAドライブの提供を確保し、安心して使ってもらえるようにした」(米3PAR マーケティング担当副社長 クレイグ・ヌネス氏)。信頼性については、3PARのストレージが持つもう1つの特徴として、ディスクドライブ単位でなく、256Mバイトという小さな論理的単位でRAIDを構成する。従ってあるディスクドライブのデータに破損が生じても、ドライブ全体を再構成することなく、256Mバイトのデータを再構成すればいいため、ハードエラー障害復旧が非常に短時間で終わる。
現在、3PARの製品は多くの場合、サーバ統合プロジェクトで当初より多くのストレージ・ニーズがあることに気付いたユーザー企業に導入されることが多いとヌネス氏はいう。もう1つの同社ストレージ導入理由としてはシン・プロビジョニングとSATAの利用にコスト的なメリットを感じている顧客が多く、この市場をさらに広げるため、今回の「Nearline for Online」というコンセプトの発表にいたったのだという。
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