フルインターネットをポケットの中に
インテル、小型ネットデバイス向け「Centrino Atom」正式発表
2008/04/02
インテルは4月2日、ポケットサイズのインターネット端末向けのプラットフォーム製品「インテル Centrino Atom プロセッサー・テクノロジー」を発表した。同社の代表取締役共同社長 吉田和正氏は「フルのインターネット経験をポケットに入れられる」と話した。
Centrino Atomが目指すのは通常のPCと変わらないインターネット環境をポケットサイズの小型デバイスで実現することだ。Centrino Atomは25平方ミリメートルのダイサイズの「インテル Atom プロセッサー」と、ノース、サウスブリッジを1チップに統合した「インテル システム・コントローラー・ハブ」、サードパーティ製も含めたワイヤレス通信機能で構成する。
Atom プロセッサーは1.86GHz、1.6GHz、1.33GHz、1.1GHz、800MHzのクロック数をサポート。1.6GHz版、1.1GHz版をARM 11 400MHzと比較すると、最大で6.8〜13倍の性能比があるという。また、システム・コントローラー・ハブは1080iと720pフォーマットのHDビデオをサポートする。DX9LとOpenGLに対応するなど高いグラフィックス性能を持ち、FlashやJavaScriptにも対応する。インテル・アーキテクチャベースでCore 2 Duoプロセッサーの命令セットと互換性を持ち、Windows Vista、LinuxなどのOSを稼働させることができる。
Centrino Atomではワイヤレス接続が基本。WiFiのほかにWiMAX、3G HSPAをサポートする。インテル製の通信チップのほかにサードパーティの通信チップも載せることができる。発表会見ではNTTドコモ、モバイルWiMAXサービスを予定しているUQコミュニケーションズ、次世代PHSを展開する ウィルコムの担当者が登壇し、Centrino Atomへの期待を述べた。ウィルコムはCentrino Atomを搭載したデバイスを近く発表するという。
発表会見では松下電器産業、富士通、東芝、クラリオンの各社がCentrino Atomを搭載したデバイスを参考出品した。
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