今後5年に仮想化ソフトは国内で年率40%伸びるとIDC
ヴイエムウェア、運用管理機能を強化した最新日本語版を発表
2008/04/24
ヴイエムウェアは4月24日、「VMware infrastructure 3 Version 3.5」(VI3 Version 3.5)の日本語版を発表した。5月1日に出荷を開始する。同社はプロフェッショナルサービスやコンサルティング機能を強化し、拡大するVMware ESX Server導入に対応する。
新製品は、VI3 Version 3.5と管理ツール「Virtual Center 2.5」の最新版をベースに、日本語の管理インターフェイスや日本語版製品マニュアルを追加したもの。VI3 Version 3.5は2007年末に国内で提供開始されたが、国内顧客の多くがVersion 3.5の新機能を使い始めるのは、実質的には日本語版の出荷後になるという。
VI3 Version 3.5の中核を成すハイパーバイザの「VMware ESX Server 3.5」は、サーバベンダ各社が自社のサーバに組み込んだ形でも提供される。サーバ組み込み版は「VMware ESX Server 3i」と呼ばれており、管理のためのLinuxのインストールを不要としたことで大幅に小型化されている。デル、日立製作所などが製品を発表している。
VI3 Version 3.5の新機能/ツールとしてはまず、「VMware Distributed Power Management」がある。これは「VMware Distributed Resource Scheduler」(複数物理サーバ間での仮想サーバの自動再配置による動的な負荷分散を実現するツール)と連動して使わないサーバの電源を自動的に切断し、必要になった際には自動的に電源を投入する機能。また、「Storage VMotion」では、仮想マシンをダウンさせることなく、ストレージシステム間でデータを移行できる。「VMware Update Manager」ではセキュリティパッチやバグフィックスを自動的に適用することができる。ハードウェア対応では物理サーバの最大搭載メモリ量128GBに対応、10GbpsイーサネットやInfiniBandのサポートも追加した。
パッケージングや価格体系は英語版と同様。「Foundation」(予想価格20万円)、「Standard」(同47万円)、「Enterprise」(同90万円)がベースで、それぞれのパックに含まれていない機能/ツールは個別に追加購入することができる。英語版で提供されている中小規模向けの「アクセラレーションキット」3種も提供。導入CPU数に制限がある代わりに、通常価格の2〜3割低い価格で購入できる。
記者説明会でIDCジャパンのアナリスト 入谷光浩氏は、x86サーバ仮想化ソフトウェア市場の伸びについて、国内の2006〜2011年における年平均成長率(CAGR)は39.8%と、世界の27.1%を大幅に上回るとの予測を紹介した。
ヴイエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏は、昨年度の国内における売り上げが100%以上成長したと報告。運用管理機能の豊富さが他社の仮想化ソフトウェアと比較した場合のVMwareの重要な差別化ポイントだとし、今後もサーバ仮想化市場における同社製品の優位性は揺らがないとの考えを示した。
米国などではサーバ仮想化を全社的な標準とするケースが出てきているが、国内企業はこれから。個々の顧客における導入規模の拡大により、さらに高度なサポートが求められてくる。ヴイエムウェアでは仮想化アセスメント、オンサイト・コンサルテーションなどの体制を強化していくという。
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