出荷時期は明言せず
来日したゲイツ会長、「Windows 7はトップシークレットだ」
2008/05/07
米マイクロソフトの会長 ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は5月7日、都内で会見し、開発中の次期クライアントOS「Windows 7」(開発コード名)について「Windowsのバージョンは過去においては、2〜3年に一度出してきた。だが今回はその通りだとは決していえない」と話した。Windows 7については2009年に登場するとゲイツ氏が述べたとの報道もあったが、来日会見では詳細を明らかにしなかった。
ゲイツ氏は次期版について「Windows 7というトップシークレットのコード名が付いている」と語り、開発を認めた。だが、出荷日については「パートナーや顧客のフィードバックを得て、微調整をする必要がある」として明確にしなかった。内容についても「Windowsでやらないといけないことはまだまだたくさんあるので、次のバージョンにも大きな期待をしている」と述べるにとどめた。一方、現行のWindows Vistaについては「日本のパートナーにも述べたが1億4000万コピーまでいった。これは大変な数字だ」と実績を強調した。
会見でゲイツ氏が繰り返し述べたのはSaaSについて。4回以上言及し期待を示した。インターネット時代のソフトウェアについて、ローカルデバイス上で稼働するソフトウェアと、サーバ上で動くソフトウェア、そしてインターネットを通じてサービスを提供するSaaSの3つを挙げて、「この3つのソフトウェアでは同じくらいコンピューティングの進化が進む。サーバであれ、サービスであれ、マイクロソフトはユーザーに選択肢を提供している。今後も非常に柔軟に対応したい」と話した。ゲイツ氏はソフトウェア業界最大手としてのマイクロソフトの取り組みも強調。「競争自体はいままでずっと健全だったと思うし、いまも競争は激化している」と話し、「引き続き、最善のソフトウェアを書き続ける。ソフトウェアは本当に重要だと思う」との考えを示した。
7月に経営の第一線から退き、ビル アンド メリンダ ゲイツ 財団の活動に軸足を移すゲイツ氏にとって、最大の懸念はこれまでで最強のライバルとも言われる米グーグルとの競争。ゲイツ氏は「グーグルは多くの国の検索市場で大きなシェアを持っている」とマイクロソフトの劣勢を認めたうえで、「われわれはソフトウェアのテクノロジを通じて今後も競争をしていきたい。どんどん最新技術が登場し、広告主にいろいろな選択肢が与えられるようになる」と話した。
来月には新しい検索技術を発表することを明らかにし、「こういう進歩とともにマーケティングに投資しないといけない。われわれのプロダクトを試していただけるようにしないといけない」とさまざまな取り組みでグーグルに対抗すると説明。そのうえで「つまり賭けをするしかない。今日、SaaSについてわれわれが賭けをしているように」と決意を示した。
グーグル対抗の強力な武器になるはずだった米ヤフーの買収は頓挫した。ゲイツ氏は「結論としてはそれぞれ独立した方向性を追求すべきということになった。われわれは広告主のための独自の研究や、検索の作業を進めてきた。いまは独立した戦略に集中している」と話した。
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