ESX 3iで導入も容易に
VMwareを値下げ、HPがサーバ仮想化のすそ野拡大目指す
2008/05/07
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月7日、サーバ仮想化製品「VMware ESXi」をサーバ機に組み込んだ製品を発表するとともに、VMware ESXとそのツールから成るパッケージ群「VMware Infrastructure 3」(VI3)や、仮想デスクトップを実現する「VMware Virtual Desktop Infrastructure」の値下げを発表した。同社はこれらにより、サーバ仮想化導入に残る障壁の低減を図ることで、市場のさらなる拡大を狙う。
サーバ機組み込み用のVMware ESXである「VMware ESX 3i」を搭載したサーバ機はすでにほかのサーバベンダからも発表されているが、日本HPは業界最多の機種対応と業界最低価格を打ち出した。

対応機種は10種(DL380/385、ML370、BL460c/465c/480c、DL580/585、BL680c/685c)。これらの機種がもともと備えているUSBポートにESX 3iをインストールしたUSBメモリを装着し、USBブートの設定で出荷する。この場合のESX 3iの価格は2プロセッサ・サーバ用が3万9900円(税込、以下同)、4プロセッサ・サーバ用は7万9800円。5月下旬に出荷開始する。ESX 3iからVI3相当のESXiパッケージへのアップグレード・パスは、まず「Enterprise」への移行のみ提供し、「Foundation」、「Standard」への移行については、市場の反応に応じて提供するという。「(ESX 3iユーザーの)10%程度がEnterpriseにアップグレードすると思う」と、同社エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバ・プロダクト・マーケティング部の木村剛氏は話した。
日本HPはこのソリューションで、ESX 3iに管理エージェントを組み込み、「HP System Insight Manager」からの管理を実現した。また、オプションのサポート・サービス(年間8万円程度)では、マイクロソフトによる動作保証の有無にかかわらずWindows Serverの保守サービスを同社から提供するという。
日本HPは、サーバ機への仮想化ソフトウェアの組み込みソリューションを、今後XenServer、Hyper-Vについても提供するとしている。ただしこの2つについてはESX 3iで見られるような軽量化は考えられていないようだ。
日本HPはまた、同社から提供するVI3の価格を値下げした。Foundationは16万8000万円で変わらないが、Standardについては、これまでバンドルしていたツールを外すことで、63万円を44万1000円に値下げした。Enterpriseはこれまで96万6000円だったが、バンドルするツールを大幅に拡充し、物理・仮想サーバ管理スイート「HP Insight Control」をすべて組み込んだにもかかわらず、価格は88万2000円に下げた。
VMware ESX Serverをベースとする仮想デスクトップ・ソリューション「Virtual Desktop Infrastructure」(VDI)については、通常のプロセッサ単位ではなくユーザー数に基づくライセンス体系を適用する「VDI専用バンドル」を発表した。200ユーザー、サーバ16 CPUの構成で試算すると、従来は884万円のところ、VDIバンドルでは400万円と半額以下になるという。同時に、VDI構築に関する作業や説明を包括的に実施する「VDI環境構築サービス」も併せて発表した。
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