クロスプラットフォーム対応進める
「VMwareも統合管理」、マイクロソフトSystem Centerの今後
2008/05/12
マイクロソフトは5月12日、同社のIT運用管理製品群「Microsoft System Center」の今後を、特にサーバ仮想化との関連で説明した。仮想サーバ管理ツール「System Center Virtual Machine Manager」(VMM)の次バージョンでは、VMware ESX Server上の仮想サーバを管理する機能も搭載する。
これは米マイクロソフトが4月29日に米国で開催した「Microsoft Management Summit」で発表したもの。新バージョンのSystem Center Virtual Machine Manager 2008(VMM 2008)は今夏に出荷予定で、Windows Server 2008およびそのサーバ仮想化機能であるHyper-Vをサポートする。
サーバ仮想化のライバルであるVMware ESXについては、Hyper-Vへの移行のための仮想サーバファイルのフォーマット変換機能を現在のバージョンに搭載している。加えて新バージョンでは、VMware ESXの仮想サーバの管理も実現するという。ESXの管理は、ヴイエムウェアの提供する仮想サーバ管理ツール「VMware Virtual Center」にVMMからログインする設定をあらかじめ行っておき、VMMのユーザーインターフェイスからVirtual Centerの機能を呼び出すことで行う。
VMMにはよく使う仮想サーバの構成を、事前にパッケージとして用意しておき、後で選択して導入できる機能があるが、ESXにもこれを適用できるようになるという。
VMM 2008のもう1つの新機能は、システム運用管理ツール「System Center Operations Manager 2007」(OM 2007)との連携でサーバ導入を支援する「Performance and Resource Optimization」(PRO)。ハードウェア、仮想サーバ、アプリケーションの情報を基に、あるOSやアプリケーションをどのハードウェア上で稼働するのが最も効率的かをVMMがアドバイスする。自動的に最適なハードウェアへ展開することも可能という。
OM 2007では標準を通じた他社製品との管理面での連携も推し進める。2009年下半期に提供予定の「Cross Platform Extensions」はOM 2007にWeb Services for Management、OpenPegasusなどの標準のサポートを与える製品。これによりOM 2007の管理対象をHP-UX、Solaris、SUSE Linux Enterprise ServerなどのOS、さらにはApacheやMySQL、Oracle Databaseなどのアプリケーションに拡大することができる。
OM 2007ではさらに、ほかの管理プラットフォームとの連携を強化するためのコネクタを、2009年下半期に提供開始する。相手ベンダ側でなく、マイクロソフトからコネクタを提供するのがポイントという。対象は「IBM Tivoli Enterprise Console」、「HP OpenView Operations」、「BMC Remedy ARS」、さらに汎用的な「Universal Connector」も提供する。
デスクトップ管理についてはアプリケーション・ストリーミング機能を含む「Desktop Optimization Pack」を提供中のマイクロソフトだが、新たに「Enterprise Desktop Virtualization」という名称でデスクトップ仮想化機能を追加する。出荷開始は2008年末〜2009年初めの予定。
マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 マネジメント&セキュリティ製品部 マネージャ 藤本浩司氏は、System Centerの今後について、ハードウェアとアプリケーションの仮想化に加え、ハードウェアからOS、アプリケーション、ネットワークといったシステム要素をすべてService Modeling Languageによりモデル化し、包括的な管理と自律的な運用を実現していくことが究極の目標だと語った。
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