ユニアデックスと国内マスタ・ディストリビュータ契約

ムダなく拡張できるストレージでエントリ市場攻略、ドットヒル

2008/05/15

 データストレージEXPOに出展しているストレージベンダのドットヒル・システムズは5月14日、ストレージの新製品と国内での事業展開について明らかにした。

 ドットヒルはエントリレベルのストレージ製品を中心とする米国のベンダ。ヒューレット・パッカードやネットアップなどが提供する製品の一部は、ドットヒルからOEM供給を受けている。

dothill01.jpg 上に乗っているのがSAS対応コントローラ。これを入れ替えることでアップグレードできる

 ドットヒルが提供するストレージの最大の特徴は、拡張が容易かつ効率的に行えることだ。同社は「R/Evolution アーキテクチャ」と呼んでいるが、ハードディスクドライブを収容する筐(きょう)体とコントローラ部分を分離している。コントローラ部分のみを入れ替えることで、既存のドライブやこれに保存されているデータをそのまま保ちながら、接続技術を変更したり、処理能力を向上したりすることができる。

 もう1つの興味深い特徴は「EcoStor」。通常のストレージではキャッシュに電源を供給するためのバッテリを2〜3年に1度交換しなければならないが、同社は10年で1度程度交換すれば済むキャパシタを用いている。

 5月14日に発表したのはSASインターフェイスによるサーバへの直結を実現するエントリレベルのストレージ「2530」、そして同社で唯一ミッドレンジのカテゴリに入る「5730」。

 5730は最大108台のドライブを接続でき、コントローラ当たり256のボリュームを構築可能。スナップショットはシステム当たり256まで取れる。5730はすでに出荷開始されたが、2530は7月の予定。

 同社のエントリ製品には2530のほかに、iSCSI接続ができる「2330」、ファイバチャネル接続インターフェイスを備えた「2730」、そして2730の処理性能を上げた「2730T」がある。

 「データはそのままで、2000シリーズから5730へ移行できる。データにさわらずにエントリからミッドレンジへ移行できるのは当社の製品だけ」と米ドットヒルのワールドワイド・フィールド・オペレーション担当上席副社長 フィリップ・デイビス(Phillip Davis)氏は語った。

dothill02.jpg 左からドットヒル日本法人 カントリーマネージャー 青木登氏、米ドットヒル 上席副社長 フィリップ・デイビス氏、ユニアデックス 常務執行役員 赤井恒雄氏、同社ソリューションビジネス部長 国分良志氏

 ドットヒルは国内での事業の再編も明らかにした。同社は全世界で、OEMビジネス以外は各地域で独占的なディストリビュータを選定し、効率的な販売体制の構築を図っている。国内ではユニアデックスとマスターディストリビュータ契約を締結した。ユニアデックスはこれまでドットヒル製品のサポート業務を代行しながら、販売活動も行っていた。今回の契約締結により、直接、および代理店経由で、2010年までに40億円の売り上げを目指すという。

(@IT 三木泉)

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