9.8ミリの薄型や防水ケータイでもワンセグ対応

「本格的な動画時代の幕開け」、ドコモが夏モデル発表

2008/05/27

 NTTドコモは5月27日、同社携帯電話端末の上位シリーズ906iで8機種、デザイン性を重視した706iシリーズで11機種を新たに発表した。6月1日から順次発売する。

 夏モデルでの最大のトピックは“ドコモ動画”と名付けた動画対応機能・サービス展開。「本格的な動画時代の幕開け」(代表取締役社長 中村維夫氏)とし、多様化する動画視聴スタイルへの取り組みを一気に進める。

docomo01.jpg 夏モデルとして全19機種を発表
docomo02.jpg 動画サービスを押し出したプロモーションを予定
docomo03.jpg 発表したラインアップ(クリックで拡大)

 NTTドコモ 執行役員でプロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏によれば、ケータイで動画を利用中、もしくは利用したいとするユーザーは5割を超えている。動画視聴ニーズにはワンセグ、デジタル家電との連携による録画済みコンテンツの視聴、ダウンロード・コンテンツの充実など多様なものがあり、同社は多面的に施策を展開する。

 厚さ9.8ミリと、3Gケータイとしても最薄の部類に入るP706iμや、防水機能を売りにしてきたF706iを、ともにワンセグに対応させた。F706iは前モデルのF705iに比べて重量が111グラムから137グラムへ、厚みが13.7ミリから16.9ミリへ増すなど若干大きくなっているが、スリム端末や防水端末ユーザーのワンセグ視聴ニーズに応えた。

docomo04.jpg 厚さ9.8ミリのP706iμもワンセグに対応する

 906iシリーズ8機種中7機種でWMVに対応したほか、全機種でFlash Lite 3.0を搭載。5機種ではフルブラウザによるFlash Video再生に対応した。Flash Lite 3.0はPC版のFlash 8相当のコンテンツを視聴することができる。NTTドコモ自身は動作を保証していないが、担当説明者によれば、YouTubeやニコニコ動画など動画サイトのコンテンツをそのまま視聴できる可能性が高いという。ただし、Flash動画では受信と同時に端末側に動画ファイルをキャッシュする仕様のため、PCに比べて搭載メモリに限りがあるケータイでは10分以上の長い映像は再生できないケースがほとんどという。

 906i全機種および706iの4機種で、動画のアップロードにも一部対応する。iモードを使い端末上のファイルをアップロードする機能が追加された。アップロードできるファイルの種類は問わず、写真やオフィス文書、動画などをアップロードできる。アップロード可能な容量は2MBまで。ブログやSNSサイトへ動画をアップロードしやすくなったという。

docomo05.jpg ポケットUのデモンストレーション。PCをコンテンツサーバにして、ケータイから動画や写真を視聴できる

 5月22日に発表した「ポケットU」にも906iの全機種、706iの10機種が対応する(参考記事:NTTドコモ、自宅PCをコンテンツサーバにするサービスを開始)。ポケットUは自宅のPCに専用ソフトウェアをインストールすることで自分専用のコンテンツサーバを持てる機能。動画、音楽、画像、文書ファイルを出先のケータイから視聴・確認できる。コーデックはサーバソフトが変換するが、DRMコンテンツには対応しない。コンテンツを視聴する端末は1台のPC(サーバ)当たり5端末まで登録できるが、サーバ上にはそれぞれの端末ごとに個別にフォルダが用意される。このため動画の共有や写真アルバムの公開といった利用はできない。

 デジタル家電との連携機能として、906i全機種でブルーレイディスクレコーダーのコンテンツを手軽に転送する機能を追加した。録画した番組やビデオカメラ、デジカメの映像をUSBケーブルでケータイに転送し、手軽に持ち運べるという。

 このほかこれまで提供してきた動画コンテンツ・チャンネルを拡充するほか、無料動画キャンペーンをを行う予定という。

(@IT 西村賢)

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