NewsInsight

押切もえさんを登用したMSN相談党キャンペーンも展開

Web検索との連携強化、MSN相談箱がリニューアル

2008/06/04

　マイクロソフトは6月4日、Q＆Aサービスの「MSN相談箱」をリニューアルした。MSN相談箱はQ＆Aサービスの「OKWave」を提供するオウケイウェイヴと業務提携により2006年10月から提供している。利用者が質問を登録し、それに別のユーザーが回答をつけることで、知識やノウハウを蓄積。一般的な検索エンジンでは探しづらい専門的な情報や、あいまいな記憶に基づく検索ができる。

　今回のリニューアルでは、おすすめQ＆Aや検索語キーワードのランキングを追加したほか、MSNと統一感のあるレイアウトを採用。また、Web検索のLive Searchとの連動を強化し、Live SearchからMSN相談箱、逆にMSN相談箱内からLive Searchで検索できるようになった。

　同社は従来サービスごとに必要だったIDをWindows Live IDに統一し、シングルサインオン環境を徐々に整えているが、MSN相談箱のユーザーアカウントも、今回のリニューアルでWindows Live IDに統合し、利便性を上げた。Windows Live Messengerで、チャット中にMSN相談箱の質問・回答を検索できる“相談ちゃん”も新たに提供を開始した。

　米マイクロソフトは2008年3月にオウケイウェイヴに出資。出資比率10.52％の株主となり、両社は連携を強めている。「（米国本社のマイクロソフトが）米国企業以外に出資するのはまれ」（マイクロソフト 執行役常務オンラインサービス事業部 事業部長 笹本裕氏）で、同社はCGMを活用した情報検索を戦略的に位置付けている。

　リニューアルと同時に認知向上の施策として、モデルの押切もえさんを“党首”として登用した「MSN相談党」キャンペーンを8月末まで展開する。日本を変えていくためのアイデアや、健康、仕事、ライフスタイルに関する意見を「公開相談」という形で募集。党首である押切もえさんらが、提言を投げかけ、その回答をまとめていく。第1回の公開相談は「日本を緊張から解放するには？」。

Web検索を補完する情報検索手段

　Q＆Aサービスは検索エンジンに比べ、認知度が低い。最大手のYahoo知恵袋で登録ユーザー数が195万、OKWaveが展開するサービスの登録ユーザー数はパートナーサイトを含めても112万登録にとどまる。質問内容は悩み相談が主だが、今後はWeb検索を補完する情報検索の手段として位置付けていきたいという。マイクロソフト プロダクトマネージメントグループ シニアディレクターの浅川秀治氏は「URLを返すのではなく、アンサーを返す検索を目指す」としたビル・ゲイツ会長の言葉を引用し、Q＆Aサービスで想定している検索シーンを次のように説明する。例えば「赤坂の和食屋」を検索すると、レストラン情報サイトなどのURLが出てくるだけで、結局また別サービスで検索が必要になる。このため多くのユーザーは「検索エンジンも使うが、職場では人に聞くことも多い」（浅川氏）。直接の問題解決になる検索サービスとして、Q＆Aサービスは有効という。

　現在、OKWaveに登録されている質問・回答は1574万件。オウケイウェイヴ 代表取締役社長の兼元謙任氏によれば、同サービスではコンテンツを常に監視しているほか、自警団を作り、品質を保っているという。OKWaveはポータルサイトや企業のカスタマーサポートページで採用されるなど60社が利用している。