ジェネシス・ジャパン、「G-Force Japan 2008」開催
収益拡大は、コンタクトセンターの対応品質にかかっている
2008/06/18
コンタクトセンターのシステムベンダであるジェネシス・ジャパンは6月18日、プライベートイベント「G-Force Japan 2008」を開催した。代表取締役社長のマイケル・マックブライアン(Michael McBrien)氏が基調講演を行い、「企業が収益性を拡大するためには、コンタクトセンターを経営戦略の一環として位置付け、IP化などの新技術も進んで取り入れて、対応品質を継続的に向上させることが重要だ」と述べた。
冒頭でマックブライアン氏は、「コンタクトセンターは単なる電話受付窓口ではない。企業にとって真に大切なことは、コンタクトセンターの中で日々起こっている。経営層はセンターの持つ潜在的な能力にもっと気付くべきだ」として、コンタクトセンターの戦略的活用の重要性を訴えた。
その根拠として、調査リポート「Accenture Global Cosumer Survey 2007」の一節を紹介した。「33%の一般消費者は、1年前の顧客サービスより(質の)高いサービスを期待している」というデータを示し、「コンタクトセンターへの期待も年々高まっている」と解説する一方で、「GENESYS Global Cosumer Survey 2007」から、「44%の離反した顧客は、コンタクトセンターでの悪い経験が唯一の理由だと回答した」という資料を提示した。
「私自身、コンタクトセンターの対応の悪さから、長年利用し続けていたクレジットカードを解約したことがある。コンタクトセンターへの期待が高く、しかも年々高まっている分、その対応品質を継続的に向上させることは、収益性を拡大するうえで非常に重要な課題だ」
また、コンタクトセンター改善の要素として、顧客にとっての「利便性」、どのチャネルからアクセスしても同一の対応を受けられる「一貫性」、顧客1人1人に適した対応を行う「パーソナライズ」、顧客の期待を見越したサービスを行う「プロアクティブ」、そして「信頼性」という5つのポイントを紹介。効率的な体制構築方法として、Web、電話、メールといった「対話」、オペレータや専門知識を持つ人材などの「リソース」、顧客対応をサポートするシステムインフラなどの「処理」、顧客データから改善のヒントをつかむ「分析」の4つに課題を整理して、「1つ1つ着実に取り組むべき」と解説した。
中でも「リソース」については、税金や法律の問題など、専門的な回答を求める要望が強まっており、「それに応えられる人材を擁することが、顧客満足度向上の1つのポイントとなる」と指摘した。センターインフラをIP化し、オープンかつ標準的なプロトコル、SIPを採用すれば、ハードウェアなどの制約を受けず、柔軟にシステムインフラを築けるほか、複数のサテライトセンターを一体的に運用することもできるという。マックブライアン氏は、「そうした技術を使えば、社外の専門家をセンターのリソースとして取り込むことが可能だ。IP化とSIP採用のトレンドが、センターの技術・サービスのレベルをいっそう向上させつつある」と述べた。
また、「システムインフラだけではなく、業務設計から改善を考えるべき」として、業界特性や自社の経営ゴールに合わせてセンター設計を行う「戦略的業務変換」の重要性も指摘した。「ジェネシスとしても、各業界や各社に最適化した構築法を提案する、ビジネスコンサルティングサービスに力を入れていく」として、コンタクトセンター運営が経営戦略の一環であることを強く示唆した。
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