低価格、短期導入の「スリムパック」も
「ERPもSaaSで」、クレオがZeeMシリーズに新サービス
2008/06/20
国産ERPベンダーのクレオは6月20日、基幹業務パッケージ「ZeeM」シリーズに、SaaS販売モデルなど新たに5種類の製品・サービスを追加する、と発表した。従来のパッケージ販売ビジネスにSaaSをはじめとするサービスビジネスを組み合わせて、年間売り上げ10億円を目指す。
ZeeMシリーズは、会計、人事給与を核とする基幹業務ソリューション。同社が1993年から提供してきた基幹業務ソリューションの発展形として2005年にリリースしたもので、ZeeMシリーズ以前も合わせると、その導入企業数は1700社を超えるという。
代表取締役社長の土屋淳一氏は、「受託開発中心では利益を伸ばしにくいが、パッケージ販売ビジネスには、まだまだ伸びていく余地があると考えている。1700社以上の顧客企業を持つことも、拡販を図るうえで大きなアドバンテージとなる。マイクロソフトの.NET Frameworkへの対応など、あらゆる技術を盛り込んだZeeM事業を核に、今後もパートナーと協力して販売活動に注力していきたい」と力説した。
今回追加したのは、3つのパッケージ製品と2つのサービス。パッケージ製品は、ZeeM会計で処理した決算データを連結決算、決算開示書類作成システムと連動させ、金融庁や証券取引所へのデータ連携を実現する「決算開示短縮パック」、パート従業員やアルバイト従業員の就業管理、シフト管理などを実現する「パート・アルバイト マネジメントパック」、基幹業務システムとして最低限必要な機能に絞り込み、低価格、短期導入に配慮した「スリムパック」の3つ。
一方、新サービスは、ハードウェアやデータベースなどをすべて預かり、システムの運用からメンテナンスまで、すべてを請け負う「アウトソーシングサービス」と、基幹業務をWebサービスで提供する「SaaS販売モデル」の2つだ。決算開示短縮パックとパート・アルバイト マネジメントパックは、年商300〜500億円規模の中堅企業向け、アウトソーシングサービスは大企業向け、スリムパック、SaaS販売モデルは年商数十億〜数百億円規模の中小企業向けと位置づけている。
プロダクト事業部 事業部長の林森太郎氏は、「従来は中堅企業向けの製品ビジネスを中心に展開してきたが、経理処理や決算開示など、より現場寄りの業務をカバーした決算開示短縮パックや、高いコストパフォーマンスを持つスリムパックなどにより、製品ビジネスを拡大した。また、SaaS販売モデル、アウトソーシングサービスでサービスビジネスを創出したことにより、ターゲットとなる企業の幅は大きく拡大した」と解説した。
SaaS販売モデルについても、「イニシャルコストや運用の手間を省き、中小企業における導入のハードルを下げた。大企業と同レベルのインテグレーションサービスを、誰にでもしっかりと使いこなせる操作性を確保しながら、リーズナブルな価格で提供していきたい」と述べた。
アウトソーシングサービスは6月から、決算開示短縮パック、パート・アルバイト マネジメントパックは8月、SaaS販売モデル、スリムパックは10月から提供開始する。
なお、SaaS販売モデルの提供形態としては、「自社のSaaSプラットフォームで独自に提供するパターンと、他社のSaaSプラットフォームにコンテンツベンダとしてサービスを載せる方法があるが、当初は独自に展開する予定。価格は未定だが、月額制で数万〜数十万円単位になる」という。
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