待機時省電力モードも搭載
NEC、Windows組み込みOS採用の新型POSを発売
2008/07/03
NECとNECインフロンティアは7月3日、新型のPOSシステム「TWINPOS 5000シリーズ」を発売すると発表した。ベースモデルの「TWINPOS 5500Ui」を中心に、小規模店向けエントリーモデル「TWINPOS 5100Mi」、電子マネー決済専用セルフPOS「TWINPOS 5500Si」の3種類を、日本、北米、中国、東南アジアなどで販売し、今後3年間で25万台の出荷を目指す。
NECの執行役員 木下学氏は、現在の流通業界について、「競争激化や少子高齢化、原材料高騰など厳しい状況が続いている。M&Aによる業界再編、ネットとリアル店舗の連携など、マルチチャネル対応をはじめとするサービスの多様化なども加わり、企業にはタイムリーかつ柔軟に環境変化に対応できる仕組みが求められている」と指摘した。
こうした状況の中、業績を伸ばすためのポイントとして、「省電力化などによる環境対応」「サービスの多様化」「ビジネスのグローバル化」という3点を挙げ、「新製品にもこれらを基本コンセプトとして盛り込んだ」と解説した。
具体的には、CPUの基本性能を従来機種比1.5倍としながら、クロックダウン制御により待機時電力を従来機種比で40%削減。構造材料も50%削減した。グローバル化への対応として、POSシステムの各国規格をサポートしたほか、POSシステム端末用に特化したマイクロソフトの組み込みOS「WEPOS(Windows Embedded for Point of Service)」を採用し、多言語対応を実現したという。
また、セキュリティ対策として、NECの組み込み機器向けソフトウェア「Solid Protect」を採用。「専用のウィルス管理サーバが不要なほか、パターンファイル更新、バージョンアップも一切不要で、高度なセキュリティを確保しながらランニングコストを抑えられる」(NECインフロンティア 執行役員の古村浩志氏)という。
一方、製品の販売戦略について、木下氏は「スーパーやコンビニエンスストア、専門店、外食産業をメインターゲットに、単体売りではなく、システムインテグレーションも含めたトータルソリューションとして提案していきたい」と解説した。
「今後はあらゆる顧客接点で得られる情報を、企業の本部でリアルタイムに統合・共有し、多様なサービスに反映していく、柔軟かつ迅速な対応が求められる。POSシステムは顧客接点での情報収集を担う重要なツールだが、RFIDなどの物流関連システムやCRMなどと連携すれば、業務基盤をいっそう強化できる。情報をリアルタイムに活用してビジネスを強化する、次世代流通システムを築くための入り口として製品を提案したい」
販売目標である25万台のうち、国内では15万台、海外で10万台の出荷を狙う。木下氏は「セルフPOSなど、すでに引き合いをいただいている製品もある。経営基盤強化を見据えた、POSシステムを中核とする店舗ソリューションとして、積極的に提案していきたい」と話している。
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