セキュリティ製品市場は、まだ成熟していない
GFi、「低価格、高品質」で日本の中堅・中小企業にアピール
2008/07/09
メッセージングソフトウェアやセキュリティツールを提供するGFiソフトウェアは7月9日、リスクマネジメント関連の製品・サービスを扱うネクストイットと販売代理店契約を交わし、同日から日本国内で製品を販売開始する、と発表した。
シート数が50〜1000の中堅・中小(SMB)企業をメインターゲットに、コンテンツ・セキュリティ、ネットワーク・セキュリティ、メッセージングの3分野で合計9つのソリューションを提供し、今後3年以内に年間5億円の売り上げを目指すという。
GFiソフトウェア 副会長のポール・A・サラベリ(Paul A.Sallaberry)氏は、「われわれは中堅・中小企業をメインターゲットとしてビジネスを展開しており、IT部門の人材が1〜2人しかいない、予算の制約が厳しいといった中堅・中小企業の業務環境、ニーズを知り抜いている。これを受けて、製品も価格、品質、性能の3つを優先して開発・提供することで、世界中で大きな支持を獲得している」とアピールした。
その根拠として、グローバルの顧客数は12万社以上、インストールベースで20万件の導入実績があることを紹介。「コンテンツ・セキュリティ、ネットワーク・セキュリティ、メッセージング管理と、中堅・中小企業におけるネットワーク管理者の責任範囲は幅広いが、これらの実行に必要なツールを、低価格かつワンストップで提供できる」と述べた。
具体的には、スパムメールを阻止する「GFi MailEssentials」、複数のウイルス対策エンジンを用いて受信メールを監視する「GFi MailSecurity」、サーバ向けのURLフィルタリング機能とウイルス検知機能を持つ「GFi WebMonitor」の3つを、コンテンツ・セキュリティ製品としてリリース。
ネットワーク・セキュリティ分野では、ネットワークの脆弱性を管理する「GFi LANguard」、ネットワーク全体のイベントやログを管理する「GFi EventsManager」、USBメモリなどポータブル装置のネットワーク上での使用を管理・監視する「GFI EndPointSecurity」、ネットワークに問題を発見すると自動的に警告・修復する「GFi NetworkServerMonitor」の4つを提供する。
メッセージング分野では、Exchange Server/SMTP対応のネットワークFAXサーバ「GFi FAXmaker」と、日々増え続けるメールデータを適切に管理・監視する「GFi MailArchiver」の2つを提供。「いずれの製品も、品質と価格のバランス、導入のしやすさに配慮して開発・設計することで、人的リソースや予算が限られている中堅・中小企業のニーズに答えた」(サラベリ氏)。このうち、日本進出第1弾の製品は「GFi MailArchiver」で、1メールボックス当たり1950円から提供。今後も順次、各製品の日本語対応を進めていく。
GFiソフトウェア日本オフィス ビジネス・ディベロップメント・ジャパン ディレクターの楠浩一氏は、日本国内のセキュリティ製品市場について「まだ成熟していない」と指摘。「米国では企業・組織の97%がウイルス対策ソフトを導入していながら、その65%が過去1年間に1回以上ウイルスに感染している。単一のウイルス対策エンジンでは十分ではなく、複数のエンジンがあって初めて高い検出率を実現できる」として、日本でもGFi製品の需要が伸びる可能性を示唆した。
「特に日本国内では、コンプライアンス順守、内部統制強化の取り組みが活発化している。このトレンドを背景に、セキュリティ製品の需要は大きく伸びる」(楠木氏)
また、今後の販売戦略として、豊富なユーザー層を持つネクストイットに、テクノロジー・パートナー、サポート・パートナーとして機能してもらい、「まずは中堅以上の企業で導入実績を増やし、着実に信頼を獲得しながら、その子会社、孫会社へと販売の裾野を拡大していきたい」と力説した。
ネクストイットの代表取締役 仲西敏雄氏も、「弊社はリスクマネジメントをコアコンピタンスとしているが、GFiソフトウェアの製品は競合他社と比べても十分に勝算があると判断した。技術力、サポート力を生かして、積極的に販売していきたい」と述べた。
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