マイクロソフト、NEC、HP、ユニシスが共同プロジェクト
SQL Server 2008の早期検証結果文書を公開
2008/08/26
マイクロソフトは8月26日、Microsoft SQL Server 2008の早期実証プロジェクトの実証結果を公開した。2007年11月から開始した「Center of Quality Innovation」(CQI)は、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HP)、日本ユニシスとの共同プロジェクトで、延べ6万7500時間にわたって検証を重ねてきたという。国内の動員技術者数は約50人、実証テストケースは245ケース、検証された機能数は約80。
検証は機能別に行う方法ではなく、「コンプライアンス」「データウェアハウス」「サーバ統合」「旧バージョンからのアップグレードや移行」という現実的なシナリオに沿ったもので、性能検証についても一般的なサーバ機器を使った。
実証作業から得られたノウハウは700ページを超える文書として同社Webサイトで無償公開する。また、より具体的にサンプルスクリプトやスキーマまで含め、実証結果をまとめた書籍を4分冊で年内に発行する予定だ。
「Microsoft SQL Server 2008日本語版」のボリュームライセンス出荷は8月1日から開始しており、パッケージ版も9月19日に発売を予定している。リリースタイミングに合わせてスムーズな導入やシステム構築ができるよう、パートナーとともにノウハウを事前に蓄積、公開した形だ。
マイクロソフトの業務執行役員 サーバプラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐光喜氏によれば、これまで同社は出荷前製品のバイナリに関して品質向上を徹底してきたが、今後はSI事業者などによるディプロイ時や運用時の品質向上についても積極的に取り組んでいくという。今回、ディプロイ時の設定によってパフォーマンスやセキュリティ機能が大幅に左右されるデータベース製品が初めてこの取り組みの対象となった。
米マイクロソフト SQL Serverデータベースエンジン開発部門 ジェネラルマネージャーのクエンティン・クラーク氏は、今回の製品ではリリース前から社内の実運用システムへの投入、プレリリースバージョンの提供などを行うことで事前に品質向上を徹底したと指摘。リリース時にSQL Server 2008を使った75のミッションクリティカルシステムが稼働しており、195のアプリケーション・ソリューションが正式対応を表明している。こうした業界全体を巻き込んだ取り組みにより、今後は従来のようなサービスパックが不要だと自信を見せる。「これまでマイクロソフトは製品が出荷された後に学ぶことが多かった。(SQL Server 2008に関しては)非常に自信を持っている。新機能や修正を含む大きなサービスパックは出てこないだろう」(クラーク氏)。
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