[Analysis]

IT業界のトカゲを目指す?IBM

2001/05/02

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 IBMが好調だ。特にこのところ、90年代後半に絶好調だった新興企業が振るわないため、同社の堅調ぶりがますます目立っている。

 創業は1911年。以来、市場への影響力を持つ存在であり続けてきた。最近のLinuxの支援では、戦略を機敏に実行に移すという新しい企業イメージを印象付けた。

 強いIBMを支えるものに開発力がある。豊富な人材と高度な研究施設を世界各地に持ち、そこで開発された新技術の特許取得率は世界1位を誇る。

 最新の開発テーマは自己管理型コンピュータ。「eLiza」というプロジェクト名で4月27日に発表された。人間が自分の体を無意識に管理しているように、eビジネスのインフラを自己管理できることを目指すという。具体的には、メインフレーム級の高度な管理能力をストレージ、各種ソフトウェア、サーバーなどのインフラに持たさせる。次世代のIT管理「ヘテロジニアス・ワークロード・マネジメント(HWM)」では、仕事は単一サーバー上で行うのではなくネットワーク内に分散させる。目標のパフォーマンス値に到達すべく、全てのジョブのトラッキング、ネットワークやOSの自動チューニングが実現する環境なのだという。

 「eLiza」とは、AI(人口知性)プログラム名の「ELIZA」と、予期せぬ環境の変化に対し優れた対応力を持つとされるトカゲ(=lizard)をかけた。また、トカゲに関しては、「DEEP BLUE」のトランザクション能力がトカゲの脳と同等とされたというエピソードも背景にあるらしい。

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