[Analysis]
Linuxがエンタープライズで活用される日
2001/06/01
5月30日、米IBMとNEC、日立、富士通の4社が大きな発表を行った。4社共同でエンタープライズ向けの基幹システムを開発するというのだ。互いに競合してきた巨大企業4社が合意に達した今回のプロジェクトは、Linuxをベースとしたもの。今後、オープンソースの理念に沿ってLinuxを大規模企業システムでの利用に耐えるレベルに高め、得られた成果をオープンソース・コミュニティに提案して行くという。
同じ日、米国で発足した研究施設OSDLが日本に第2の拠点を設置すると発表した。OSDLは、Linuxを企業システムに適用することを目的とした研究プロジェクトに、施設の提供を行う非営利団体。2001年5月現在、世界でzッ19社が出資している。
4月に米国で開催された「Linux Kernel Development Summit」でも、企業システムとして見たLinuxが争点になった模様。あるLinuxディストリビューターは、次のカーネル(2.5)ではエンタープライズ部分の強化を行うと述べている。
これらの発表は、エンタープライズというLinuxの次なるターゲットに向け、いよいよ各企業が具体的なアクションを起こし始めたことを象徴している。そして、その発表が2002年半ばといわれるカーネル2.5では、データベースのパフォーマンスの向上のために、非同期のI/Oをサポートするといった機能強化が図られる予定という。
こういった周囲の動きに対し、Linuxの生みの親であるリーナス・トーバルズ氏はどう見ているのだろうか? 5月30日、来日中の同氏は「エンタープライズでの課題は?」という質問に対し、機能強化の必要性を認めながらこう答えている。「特に日本の場合、精神的な障害が高いのではないか? メキシコでは金融機関がLinuxシステムを構築し、稼働している。日本のユーザーには、こうあるべきだという思い込みが強いという印象を受けた」
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