[Analysis]

転換期の日本オラクルの悩みは?

2001/07/13

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 日本オラクルが順調だ。米オラクルではレイオフ(一時解雇)や業績の下方修正などが行われたが、日本オラクルは、好調さを裏付ける数字を示している。

 同社は7月11日、2001年5月期の決算概要を発表した。次期主力製品「Oracle 9i Database」の発表と同じ日だ。同社の今期の売上高は877億3100万円で前年同期比33.4%増、純利益は183億2500万円で前年同期比64%増となった。営業利益率は36.3%(前年同期は30.3%)で、無駄の少ない効率的な経営を実践しているといえる。

 だが、前途洋々というわけではない。IAのデータベース市場で、首位は固守したもののシェアを落としている(48%)。ついにItaniumが発表されて今後拡大の可能性があるこの市場は、MSやIBMがじわじわと追い上げている市場でもある。

 また、ERPのビジネスアプリケーション部門は、唯一今期予想を下回った。シェアはわずかに伸びたものの(23.5%)、「ビジネスチャンスをつかみきれていない」と新宅社長。人員不足を最大の理由に挙げるが、人材にしろ営業方法にしろ、決定的な解決策はまだ見出していないようだ。

 同社はこれまで、データベースを核に事業範囲を水平に発展させてきた。他のベンダ同様、目下の課題は基盤事業の上に確固としたビジネスサイクルを築くこと。同社が転換期をどう乗り切るのか、新宅社長の舵取りが注目される。

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