[Analysis]
“メード・イン・ボーランド”、再び
2001/07/17
米ボーランドは今週末にも2001年度第2四半期の業績を発表する。同社は数年前に財務状況が悪化したが、経営陣の入れ替えとともに危機を完全に克服し成長期に入ったようだ。今期も業績は予定どおり増益増収を見込んでおり、黒字転換した2000年第1四半期以来、順調に成長を遂げている。日本での業績も好調で、年間売り上げ目標額を上方修正し、30億円を目指すという。
実際、2001年は同社にとってエポックメーキングな1年となりそうだ。1月末にインプライズからボーランドへ社名を戻して以来、次々と製品を発表している。主要2製品「JBuilder」「Delphi」のバージョンアップ、さらにはLinuxネイティブの開発環境という画期的な「Kylix」も発表した。これで同社は、Windows、Java、Linuxの開発ツールをそろえたことになり、この3分野の世界1700万人の開発者を潜在ユーザーとして販売活動を展開していく。
同社の2000年度の収益の内訳は、開発ツールが55%でトップ、次いでアプリケーション・サーバ「AppServer」などを含むエンタープライズ事業(24%)、コンサルテーションなどのサービス事業(21%)と続く。ライバルはマイクロソフトやウェブゲインからアプリケーション・サーバ・ベンダまでと幅広い。
「日本でのフォーカスはJava」と代表取締役社長 安藤由男氏。適用範囲の広いJavaで「JBuilder」が名実ともにデ・ファクトの開発ツールとなることを目指す。将来的には、サービス事業への展開も視野に入れているという。かつてボーランドの技術への高い信頼を“メード・イン・ボーランド”と賞賛する人々がいたが、この言葉が復活するかは、まさに同社のこれからにかかっているようだ。
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