[Analysis]

低価格化が進むADSL

2001/08/28

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 ADSLサービスの高速化と低価格化が進んでいる。特に低価格化に関しては、これまでADSL料金とインターネット接続サービス料金合わせて5〜6000円台だったのが、2〜3000円台と50%程度の値下げを実現するほどの勢いだ。

 低価格化の契機となったのは、今年6月中旬にヤフーとビー・ビー・テクノロジーが発表した「Yahoo! BB」。Annex Aを採用し、下り最大8MbpsのADSLサービスを2280円で提供するというもの。現在のところ、本サービスの開始は9月を予定している(8月末までは無料接続サービス期間)。

 その後、アッカ・ネットワークス、イー・アクセスといったADSL事業者が、Annex Cを採用した下り最大8Mbpsのサービスを続けて発表。これら事業者と提携しているISPは、相次いで値下げや新メニューを発表した。So-netのソニーコミュニケーションネットワークではアッカと組んで最低料金3280円で、ASAHIネットの朝日ネットではイー・アクセスと組んで最低料金2880円で、ADSLサービスを提供する。

 こういった動きに対し、ADSL回線提供数最多を誇るNTT東西では、6月下旬に100円単位の値下げを発表したものの、これまでのところ目立った対向策を発表していない。

 当初はなかなか普及が進まなかったADSLだが、NTT東西の参入により、一気に普及が進んだ。その一方で、今年5月に経営難が明らかになった東京メタリックがソフトバンクの傘下に入るなど、NTT以外の事業者には淘汰が起こっている。低価格戦略に出始めた事業者各社は今後、環境の変化に応じた柔軟な舵取りを要求されることになるだろう。

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