[Analysis]
HP、コンパック買収に見る業界再編
2001/09/06
ヒューレット・パッカードが約250億ドルでコンパックを買収――世界中を驚かせたこのニュースは、米国でIT業界の再編が着実に進んでいることを物語っている。そして、この舞台裏には、現在進行している2つの業界動向がある。PCなどハードウェアの低価格化と、エンタープライズ分野におけるサービス事業へのシフトだ。
低価格化については、“デル・モデル”で低価格化の火付け役となったデル・コンピュータを相手に、両社とも苦戦を強いられていた。そのデルにあっという間に水をあけられたゲートウェイは規模を縮小するなど、デルの“一人勝ち”は明らかとなっていた。
サービスに関しては、両社ともにここ数年の課題としてきた。HPはコンサルティング会社のプライスウォーターハウスクーパースの買収を試み失敗に終わった。一方のコンパックは、AlphaチップをItaniumに統合することで切り離すなど、体制の変換を試みていた。
発表によれば、事業は4分野(プリンタ、デバイス(PC・ハンドヘルド)、ITインフラ(サーバ・ストレージ)、サービス)に絞り、1万5000人の人員削減を行う。単純に計算すれば、PCではデルを、サーバではIBMをそれぞれシェアの面でしのぐ巨大企業が誕生することになる。が、2社の統合が成功だったかどうか、その答えが出るのは数年後になりそうだ。
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