[Analysis]

IT業界を明るくするGoogleの躍進

2001/11/01

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 検索エンジンのGoogleは、IT業界に元気を与えてくれる数少ないベンチャーの1社だ。現在、同社のインデックスページ数はWebサイト最大の16億、1日のアクセス数は1億2000万件。このアクセス数は毎月20%ずつ増加しているという。Googleはスタートしてわずか3年にして、名実ともに世界ナンバー1の検索エンジンとなった。

 先日、日本語ページがリニューアルされたが、同社のここ1年の技術面でのハイライトを集めてみた。

  • Googleツールバー ・iモード、WAP、PDAへの対応 ・OneBox機能(英語版) ・スペルチェック、および修正スペルの提案機能(英語版) ・PDF対応(PDFファイル数は2200万以上) ・イメージ検索(JPEG、GIF対応)

 Googleがファンの心をつかんでいるのは、これらの優れた技術だけではない。マーケティング面でもGoogleのユニークさは際立っている。シンプルかつカラフルなGoogleのトップページは訪れる人の心を明るくする。さらに、このページは、母の日や各国の独立記念日などには、それに合わせてデザインが変わる。Googleは気が利いたサービス精神も忘れていないのだ。ユーザーはGoogleに対し、若く、自由で、ユーモアのあるベンチャー企業という好イメージを抱いており、これが“口コミ”を生む最大の理由だろう。

 Googleはビジネスでも好調だ。同社は現在、収益の半分を広告から得ているが、広告をクリックする率を示すクリック・スルー・レートは20%と業界最高レベル、広告出稿契約の継続率は50%に達している。現在、Kleiner PerkinsやSequoiaといったトップレベルのベンチャー・キャピタルの出資を受けているが、業績はすでに黒字に好転しているという。今年に入り、CEOに、サンやノベルで手腕を発揮したエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏を迎え入れるなど、IPOへの準備も着々と進んでいるようだ。とかく批判されがちな“ドットコム”企業だが、スタンフォード大の学生ベンチャーとしてスタートした同社は、優良ドットコム企業として、IT業界ばかりでなく経済界の期待も一身に受けているのだ。

 同社CTO クレイグ・シルバースタイン(Craig Silverstein)氏は、先日来日した際に以下のような言葉を残した。「創業した地点を床とすると、いまはまだ地上数10cmのところ。僕らの目標は天井よりも高いところにある」。使いやすい技術・役に立つ技術を追求するGoogleの進化に期待したい。

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