[Analysis]

なぜJavaOneは日本で開催されたのか

2001/12/04

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 11月28日から3日間、横浜で「JavaOne Conference in Japan」が開催された。会期中、約6000人が詰めかけ、盛況のうちに幕を閉じた。

 日本はもちろん、米国外でも初の開催となった同イベント、基調講演ではジョン・ゲージ(John Gage)氏(米サン・マイクロシステムズ チーフ・リサーチャー兼Science Officeディレクター)や、ジェームス・ゴスリング(Dr. James Gosling)氏(同 Sun Labs バイスプレジデント兼フェロー)らが登壇するなど、米・サンフランシスコで開かれるJavaOneに引けをとらない豪華な顔ぶれが揃った。スポンサーにも、米国のJavaOneでおなじみのオラクルやBEAシステムズなどの企業が名を連ねたが、特徴的だったのは、J-フォンやKDDI、NTTドコモの携帯事業者組だ。

 そもそも、日本での開催の要因となったのは、Javaが実装されたNTTドコモのiモードに代表されるJ2ME採用携帯電話サービスの成功がある。この動きはPDAにも広まりつつあり、日本およびアジア地区におけるモバイル分野でのJavaでの先行は、国際的にも大きな関心を集めている。そういった背景からも日本初のJavaOneは、WebサービスやEJBよりも、J2MEにスポットがあたったJavaOneだったといえる。

 最終日、プレス向けに開催されたセッションで、ジョン・ゲージ氏とともに応じた、リッチ・グリーン(Rich Green)氏(米サン Javaソフトウェア開発担当バイスプレジデント)は、「Javaのコンセプトは技術をシェア(共有)し、ネットワークをオープンに保つこと。Javaは新規製品/プログラムを生み出すメカニズムなのだ」と語った。同氏は、「Javaは新しいフェーズに入る」として、その新フェーズを、“パーソナライズされたWebサービスが提供される世界”と描いた。

 Webサービス市場の戦いの火蓋は、すでに切って降ろされている。ここではサンは、J2EEベースの「Sun ONE」および「Liberty Alliance」で、「.NET」を掲げる最強かつ最大のライバル、マイクロソフトと真っ向から対決する。モバイルとアプリケーション・サーバから、新たなサービスの局面へスムーズに移行できるかどうか――、決定打はまだ出されていない。

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