[Analysis]

今後もオラクル王国は磐石か?

2001/12/11

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 恒例となった「Oracle OpenWorld 2001」が12月3〜7日の5日間、米サンフランシスコで開催された。会期中、「Oracle 9i Application Server Release 2」(Oracle 9i AS Release 2)が正式発表された。今年の目玉はこのWebアプリケーション・サーバかもしれない。今回の「Oracle 9i AS Release 2」は、SOAPやWSDL、UDDIに標準対応、J2EE 1.3もサポートし、Webサービスの構築と展開が容易となった。こうした動きから、Oracle 9iをコアにして、それとの相互接続性や親和性を武器に、Webサービスをはじめ、さまざまな分野で優位に立とうとする同社の戦略が見えてくる。この、“オラクル王国”の戦略には隙はないのだろうか?

 そもそもオラクルのデータベースが主役に踊り出たのは、ホストからクライアント/サーバ(C/S)へのダウンサイジングへの移行期だ。C/S時代にはOS以上に重要なプラットフォームとなったデータベースは、企業の情報化投資と軸を同じくして市場を拡大してきた。その後、3階層モデルを前提としたWebコンピューティング時代となり、Webアプリケーション・サーバが主役に踊り出てきた。そこでは、新たなプラットフォームとなったWebアプリケーション・サーバそのものの機能が重視される。

 Webアプリケーション・サーバ分野には、BEAシステムズなどこの分野の専業ベンダのほか、IBMやサン・マイクロシステムズ、ヒューレット・パッカードなどの競合他社がひしめく。その中にあって、同社が今後も“オラクル王国”を維持できるかは、データベース戦略とは独立した戦略、マーケティングを展開できるかどうかにかかっているのではないだろうか。Oracle 9iから垂直展開するのではなく、Webアプリケーション・サーバ自体の優位性をどれだけ訴えられるのか、それが重要になりつつある。

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