[Analysis]

生死を分ける? ソフトウェアも冬の時代へ

2001/12/21

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ソフトウェア業界に警告が出された。“ソフトウェアベンダは合併、買収、分割に備えよ”、というものだ。また、世界のソフトウェア業界全体の売り上げに関しても、この1〜2年は減少という厳しい予測が発表された。

この警告は米ガートナー データクエストが先日明らかにしたもの。同社のレポートでは、今後3年間、約半数のソフトウェア企業が何らかの形で合併・買収・分割に関わると予想している。これは過去3年間の2倍の率だ。レポートではまた、ソフトウェアベンダに対し、資産価値があるうちに積極的に合併や買収に関わる(合併・買収される)こともアドバイスしている。今秋発表されたヒューレット・パッカードとコンパックコンピュータの合併計画には誰もが驚いたが、このレポートのシナリオ通りにいけば、同規模の買収や合併がソフトウェア業界で起こることは十分に考えられる。

背景にあるのはソフトウェア産業の停滞だ。同社の予測によれば、セキュリティ分野を除き、売上高は2001年から2002年にかけて軒並み減少、アプリケーション・ライセンス市場に関しても同様で、6%低度の減少を予測している。底を打つのは2002年12月ごろ、最悪の場合は2003年半ばになるという。ここ1、2年は、ソフトウェア業界にとって、冬の時代となりそうだ。

2000年から伸び悩んでいるハードウェア業界に加え、ソフトウェア業界も2000年代前半に統合・再編が進む。IT業界全体はますます、サービスおよびソリューションにシフトすることが予想される。この動きには当然、コンサルティング会社も含まれてくるだろう。

この予測を、ERPやCRMの導入が遅れている日本にそのまま当てはめることはできない。だが、ソフトウェア産業における輸入金額が7200億円(1999年)という輸入依存国の日本にとって、予想される影響を考えておく必要があるといえそうだ。

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