[Analysis]

IP電話の価格競争の向こうにあるもの

2002/01/09

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 2001年の暮れに活気を帯びてきた分野に「IP電話」がある。IP電話とは、VoIP(Voice over IP)を使い音声もデータとしてインターネット・プロトコルで伝送する音声電話のこと。従来の高額な交換機を導入することなく低コストで通信網を構築できることから、固定型の電話と比べ、国際電話や長距離国内通話料が安価にできるのが特徴だ。

 IP電話で先行していたのは、2001年4月1日からサービスを開始したフュージョン・コミュニケーションズだ。同社は、米国への通話サービスを45円/3分、国内100km超で20円/3分とし、サービス開始後9カ月で累計加入回線数が100万回線を突破した。現在も順調に契約数を伸ばして、その存在感を示している。

 その後、多くの企業が続々とIP電話分野に参入している。NTT-ME、ぷらら、ダイヤルドットジャパンなどだ。この中で、2001年10月よりサービスを正式に開始したNTT-MEは、米国への通話サービスを48円/3分、国内100km超で20〜40円/3分で提供する。多少料金は高いが、IPベースの電子会議サービス/音声通話受付サービスなどの企業向けサービスも用意する予定という。将来的には、リアルタイムの株価案内や電話からのインターネットアクセスサービスなどの展開も計画中だ。

 こういった動きに追い討ちをかけたといえるのが、Yahoo!BBで大きく躍進したソフトバンクグループのビー・ビー・テクノロジーの参入。2001年12月末より「BB Phone」試験サービスを開始し、2002年春をめどに、米国および国内向け通話を一律7.5円/3分と業界最安値の料金を打ち出した。

 2001年は、各社のIP電話への参入により低価格化が進んだ。しかし、これだけではIP電話の普及にはつながらない。今後重要となってくるのは、品質の確保や信頼性だろう。2002年は、各社のサービスのすみ分けとともに、信頼性の向上がどのように進むかに注目したい。

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