[Analysis]
サン(太陽)は今年、輝くか?
2002/01/16
米サン・マイクロシステムズにとって2001年は厳しい1年となった。2001年10月に発表された2002年第1四半期の業績結果では最終損益が赤字に転落し、レイオフ(一時解雇)も行われた。
不振の最大の原因は“ドットコム・バブル”の崩壊といわれている。絶好調だった同社のこれまでのビジネスはドットコム・ブームに支えられたところが大きく、インターネット企業、通信キャリアといった顧客を多く抱えた結果、彼らのビジネス悪化の影響をそのまま受ける格好となったのだ。
“宿敵”ともいえるライバルのマイクロソフト、そしてハードでシェアを争うIBMやヒューレット・パッカードなどが、好調もしくは現状を維持しているだけに、サンの落ち込みは目立つ。業界全体が注目を寄せるWebサービス「Sun ONE」では、マイクロソフトやIBMなどと比べ明確なメッセージが見えにくいと指摘されているうえ、製品化という点でも遅れをとっている。個人認証でも、マイクロソフトの「.NET Myservices」に対抗し同社が中心となり「Liberty Alliance」を結成したが、出遅れている状況は同じといえよう。同社はそれ以外にも、PtoPの「JXTA」、グリッドコンピューティングなどの技術プロジェクトを発表し、開発を進めてはいるが、こういった新技術が成熟するまでには時間を要すると思われる。このままでは、テクノロジー・カンパニーとしての同社の地位も揺らぎかねない。
創立20周年を迎える同社にとって、今年は試練の年となる。業績の回復を全体の景気動向に任せるのではなく、ハードウェアからソリューションを提供できるベンダへと体質を変えられるかどうかが、再建の大きなかぎを握ることになるだろう。サンがこれまで提唱してきた“the Network is the Computer”、およびオープン化が現実のものとなりつつあるいま、次なる一手に期待したい。
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