[Analysis]
パームは望みの市場を手に入れるか?
2002/02/01
米パーム コンピューティングは今週、PDAの新製品「Palm i705」を発表した。電子メールやWeb機能、社内イントラネットへのアクセス機能、セキュリティを強化した新製品で、同社が狙うのはビジネス市場。昨年から、CEO辞任や数回にわたる大幅な人員削減、さらにはOS部門の分社化など、経営状態が危ぶまれている同社だが、同製品で“PDAの王座”の地位を改めて市場に示したいところだ。
パームはPDA市場で長らく、首位の座を保ってきた。が、昨年より、コンパックコンピュータの「iPAQ」に代表されるマイクロソフトの「Pocket PC」搭載機の猛烈な追い上げを受け、試練の時を迎えている。
米ハンドスプリングらと繰り広げた価格競争の効果もあり、コンシューマ市場では引き続きPalm OS搭載機は強いとされているが、ビジネス市場への食い込みは十分ではない。今回の新製品では、この市場で伸びているPocket PC搭載機に対抗するため、AOLのInstant Messenger(AIM)の搭載、ほぼすべての電子メールアカウントをサポートする「Palm.Net wireless service」機能など、ソリューション・ビジネスへのシフトを図った。これにより、コンシューマより買い替え需要の多いとされるビジネスユーザーを引きつけ、販売台数が頭打ちになった場合の、次なるフェーズに備えた戦略といえよう。
PDAベンダは、どの機能が受け入れられるかの試行錯誤に加え、デバイスの販売だけではなく、ソリューション・ビジネスによる収益獲得モデルへの転換という課題も抱えている。パームの挑戦は、それらの点からも注目に値する。
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