[Analysis]

電子政府実施に必要不可欠な監査機関の設置

2002/02/13

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 2003年の電子政府・自治体の実現公約まで残り1年弱となり、今年はその本格稼働に向けた重要な年となる。

 電子政府・自治体の行政サービスとは、単純にいえば従来の行政サービスをオンライン化すること。しかし、そこで問題となるのはセキュリティの確保だ。個人情報や企業情報などプライバシーの保護などに関して、政府は問題がないと保証できるのだろうか?

 現在、政府は民間企業とともに、情報セキュリティ対策推進会議などで2003年までに、情報セキュリティポリシーの制定、暗号の標準化、監視体制の整備などを検討している。しかし、協議会の役割りは、あくまで“体制”作りにある。実際にそれが担保されるかどうか(裏付けがあるかどうか)は別の問題だ。

 米国では、NSA(National Security Agency:国家安全保障局)の下、国家の情報セキュリティを含めた安全保障を掌握し、監視している機関がある。現在わが国には、NSAのような監査機関はない。そのため、どんなにセキュリティが確保されていると政府・自治体が公言しても、その裏付けを取ることができないのが現状だ。

 そのような裏付けのない行政サービスでは不安は大きい。こうした不安を取り除くためにも、日本版NSAなどの設置が不可欠ではないのだろうか。電子政府・自治体の行政サービスの本稼働までには、このような監査機関の設置を望みたい。

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