[Analysis]

ワイヤレスの進化と一心同体のXScale

2002/02/15

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 インテルは今週、携帯端末など組み込み向けプロセッサのアーキテクチャ「XScale」をベースとしたプロセッサ2製品「PXA250 アプリケーション・プロセッサ」「PXA210 アプリケーション・プロセッサ」を発表した。世界的にPCの出荷台数がゆるやかに減少する中、非PC市場でも王者の座を狙うインテルにとって、XScaleは重要な意味を持つ。

 インテルがXScaleを発表したのは、2000年8月に開催された同社カンファレンスIDF(Intel Developer Forum)でのこと。低消費電力、最高クロック周波数1GHzの高性能という2つの特徴のほかは、明らかにされてこなかった。

 XScaleは、1997年に同社が半導体部門を買収した米DEC(ディジタルイクイップメント)から受け継いだ「StrongARM」プロセッサをベースとして、同社が再設計・製造したもの。今回発表した2製品のうち、PDA向けとされるPXA250では最高クロック周波数400Hz、消費電力は従来のStrongARMプロセッサの約半分という。さらに、プロセッサの性能を瞬時に切り替える「ターボ・モード」機能を備えた。これにより、処理能力を向上させながらバッテリ駆動時間を延長させるといったことが実現するという。

 このような高性能なプロセッサが求められる背景には、携帯電話やPDAといった非PC端末の進化がある。これらの端末は、将来的にはPC並みの機能をユーザーに提供することを目指しており、現在、世界の携帯電話出荷台数のうち3%を占めるにすぎないデータ処理対応型が、3年後には出荷台数の約50%にまで膨らむともいわれている。このような非PC端末市場の成長をにらみ、インテルでは、PCA(パーソナル・インターネット・クライアント・アーキテクチャ)という、メモリ、通信、演算と3要素で構成されるアーキテクチャを提唱し、それぞれのコンポーネントを独立させることで、開発期間の圧縮や低コスト化を狙う(XScaleはその演算部を担う)。

 今回発表したプロセッサは今年半ばにも市場に出回る予定だが、インテルが楽々と王座につけるという保証はない。新市場では、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)技術で優位に立つ米テキサス・インスツルメンツ(TI)やDoragonballファミリを展開する米モトローラなどが控えているし、AMDも参入することが予想されている。

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