[Analysis]

“ブレード”は今年、ハードベンダの救世主となるか?

2002/02/19

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 ラック型の1U/2Uサーバなどの薄型サーバが、xSPやiDC向けで注目を集め、Eビジネスのけん引役を担うものと、PC(IA)ハードベンダは期待し、実際当初はそのとおりとなった。

 しかし、ITバブル崩壊とその後の不況の影響で、そのビジネスも曲がり角を迎えつつある。しかも、ラック型薄型サーバの世界にも、“コモディティ化”による低価格化の波が容赦なくやってきそうだ。デルコンピュータ 代表取締役社長 浜田宏氏は、「2002年はラック型サーバのコモディティ化を一層推し進める」と述べるなど、早くも競争激化を予感させる乱雲が渦巻いている。

 そのラック型の薄型サーバの代わりとして、ハードベンダ各社が今年期待しているのが、“新技術”を利用したサーバ、「ブレードサーバ」だ。ブレードサーバとは、2Uや4Uなどのラックに、超小型のサーバユニットを複数実装する。1つのラックにこれまで以上のサーバシステムを格納できる次世代“高密度”サーバだ。米IDCは昨年、2005年にはブレードサーバの販売台数は、PCサーバ市場全体の27%を占めるようになると予測する。

 その市場を制覇するため、各社ともブレードサーバの開発・製品化を急いでいたが、昨年、大手では米ヒューレット・パッカード、米コンパックコンピュータが製品を発表、発売を開始した。日本でも、1月にNECが製品を発表し、今週はコンパックコンピュータが日本でも発表を行う。今後、IBMやデルコンピュータ、国産ハードベンダ各社が製品を投入してくるだろう。

 このブレードサーバがハードベンダの思惑どおり、付加価値を持った戦略製品に今年育つのか? その行方を占う最初の試金石は、各社がどれだけ早く製品を投入できるのかと、各社で若干異なる製品の仕様を、ユーザーがどう受け止めるのかにありそうだ。

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