[Analysis]

.NET以後のOSとして強化されるWindows .NET Server

2002/05/08

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 マイクロソフトは次期Windowsとして、クライアント向けの“Longhorn”(コードネーム)とサーバ向けの“Windows .NET Server”を計画している。Windows .NET Serverは2002年中に出荷される予定だったが、同社の新しい方針「Trustworthy Computing」(信頼できるコンピューティング)にのっとってセキュリティ対策を固めるために、出荷が2003年になる見通しだ。

 かつては、OS戦略こそマイクロソフトの基幹戦略であった。それは、OSに実装されるAPIが最も重要だったからだ。APIの変更や拡張はOSのバージョンアップ時にのみ行えるものであり、その変化によって同社は他社をリードし、コントロールすることができた。つまりOSのバージョンアップサイクルが、同社の戦略をある程度規定していた。

 しかしいまや同社の基幹戦略が、OSのAPIよりも1つ上のレイヤで稼働する、.NET Frameworkに移ったことは明白だ。そして.NET FrameworkはOSと別に提供されるものであるため、OSのバージョンアップサイクルによって同社の戦略が規定される時代は終わりつつある。OSは、.NET Frameworkを稼働させる強固な基盤を提供することが最大の使命となり、付加価値的なものであった機能やサービスは、.NET Framework上に構築されるべきものとして、OSから切り離されていく。そのために、次期OSでセキュリティが強調されるのは当然だ。

 しかしセキュリティは、同社が歴史的に苦手としてきた分野でもある。その成果がどうでるか、まだ1年以上の時間が必要だ。

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