[Analysis]
BtoB、ターニングポイントは来年?
2002/05/24
BtoBという言葉が、“ビジネスを変える”という触れ込みとともに、センセーショナルに登場したのは2、3年前のこと。一時的に大きな注目を浴びたが、企業のビジネスは、手法を見ても顧客との関係を見ても、過去何十年という長い経験を蓄積してきて現在に至っている。そう簡単に変わるはずもない。いざ現実のものとしてBtoBを見ると、信頼性の問題や、在庫情報などのシステム統合および仕組みの問題が明るみに出て、瞬く間に存在感が薄くなっていった。だが、BtoBは着実に新たなビジネスのやり方として、根をおろしつつある。
経済産業省が電子商取引推進協議会(ECOM)らと行った「平成13年度電子商取引に関する市場規模・実態調査」によると、2001年度のBtoBの市場規模は34兆円。調査を開始した1998年以来、順調に伸びている。現在市場をけん引しているのは電子・情報関連機器と自動車。前者に関しては、BtoBを推進する業界団体RosettaNetの積極的な活動が実を結びつつあるといえる。調査を担当したNTTデータ経営研究所の飯塚和幸氏によると、2003年を境に化学や建設など他品目にも広まり、2006年には約3.7倍の125.4兆円の規模に拡大する見込みという。
BtoBで活躍するBtoBサーバや統合サーバも順調な様子で、あるベンダによると、この分野に関して長期的視野で取り組む顧客が多く、ポータルを上回る堅調な伸びという。
今後、注目すべきは対省庁および地方自治体の“政府調達”の分野。2001年時点では国土交通省と一部の地方自治体が電子調達を実施したが、今後の電子政府の推進により、2006年には約10倍近い成長が見込まれている。
BtoBのメリットは、業務の効率化、在庫およびコストの削減など。景気が低迷しているいまだからこそ、メリットをいかに訴え、費用対効果を示すかによって、BtoBの潜在ニーズをまだまだ引き出すことができそうだ。
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