[Analysis]
Linuxディストリビュータ、生き残り戦略の向こう側
2002/06/04
5月29〜31日まで、東京国際展示場においてIDGジャパン主催の「LinuxWorld Expo/Tokyo 2002」が開催された。
一部のディストリビュータや多くのLinuxコミュニティが展示会に出展していたが、目立っていたのはハードベンダやソフトベンダによるものだった。そうしたベンダのブースでは、Linuxサーバによるクラスタやバックアップ方法、エンタープライズレベルの大規模システムに耐え得るサーバやシステム、そして基幹業務アプリケーションなど数多く紹介されていた。
その光景はまさに、Linuxビジネスがディストリビュータからハードベンダやソフトベンダなどへとシフトしていることを改めて実感させるものだった。しかし、いい方を変えればそれは、Linuxを巡るビジネスの裾野がそれだけ拡大し、大きくなっていることを示すものだろう。
こうした状況の中、ディストリビュータ各社もLinuxビジネス拡大の波に乗ろうとしている。ディストリビュータの雄であるレッドハットは、基幹システム専用のLinux OS「Red Hat Linux Advanced Server 2.1」を発表し、多くのベンダからサポートを得ている。それに対抗するかのように、米カルデラ、ブラジルのコネクティバ、独SuSE Linux、米ターボリナックスの4社が、ビジネス向けLinux推進のため、新団体「UnitedLinux」を共同で結成した。こちらも多くのベンダのサポートを受けつつあるようだ。
このようなディストリビュータ同士によるLinuxの覇権を巡る戦いの成否は、ユーザーが不安を感じている販売やサポート、教育の強化だけにかかっているわけではない。より重要なのは、各ディストリビュータがどれだけ多くのベンダの支持を集めることができるかにあるのだ。いまやディストリビュータの生き残り戦略は、ベンダ各社のLinux戦略にしっかりと組み込まれ始めたのかもしれない。
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