[Analysis]

注目高まるEIP、導入のポイントは?

2002/06/21

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 EIPと呼ばれる企業ポータル構築の気運が高まっている。必要な情報やアプリケーションへの効率の良いアクセス、ログインが1回ですむなどの利点を持つ企業ポータルは、情報やアプリケーションの複雑化、多種多様化、大量化が進み、今後、企業システムに不可欠なものとなるといわれている。米IDCの最新の調査によると、2001年の世界の企業ポータル市場は5億5000万ドル、2006年には5倍以上の31億ドルに達する見込みだという。

 情報を束ねるポータルとしてのEIPは、認証、ポリシー管理、アクセス管理、コラボレーション、コンテンツ管理、プロセス管理などの機能を持つ。その特性から、BtoE(Business to Employee)を実現するとされているが、「企業ポータル2002」で基調講演を行ったPwCコンサルティング EIPソリューション部 部長 垂水宏明氏によると、進化したEIPでは、Business to Extended Enterpriseを実現できるという。企業内・外のシステムを統合し、企業システムのハブとしての役割を果たすゲートウェイ的なものだ。ナレッジマネジメント的なアプリケーション、Web会議、カレンダーなどのアプリケーションで構成される。

 この成長市場では、アプリケーションサーバ・ベンダや独立系ソフトウェアベンダ、専業ベンダなどが製品を提供している。だが、EIP製品を導入したからといって、すぐさま成功するとはいえないようだ。ポータルを構築しても想定していたユーザーが利用しないのでは意味がないからだ。「実現したい機能を100%カバーする製品はありえない」と述べる先述の垂水氏は、導入にあたって大切なこととして、「ビジョンを掲げ、ビジョン実現のための目標を規定する。そして目標の達成度を測定する指標を持つこと」とアドバイスしている。同様の提言は、大手EIPベンダでも見られる。導入前の検証がポータル成功の明暗を分けるといえそうだ。

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