[Analysis]

SAN普及の遠い夜明け

2002/06/28

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 次に来る新しいトレンドとして毎年取り上げられるSAN(Storage Area Network)。調査会社の調査でも、必ず普及するといわれながら日本ではなかなか普及に弾みがつかない。その理由として挙げられるのは高価格、標準化の遅れや互換性、IPネットワークとは別の投資が必要になる点など、理由もここ数年変わらない。

 しかし、意外と大きな障壁は、いまだにあるSANへの理解不足なのかもしれない。IPネットワークに似て非なるSANのトポロジやデザインから実際のファイル転送の違い(SANではブロック転送)まで、両者の違いは意外と多い。また、ライバルと見られることもあるギガビットや10ギガビットのイーサネット、iSCSIなどの技術も、ストレージに頭を悩ます管理者をすべて満足させるものでもないし、当面はSANと補完関係になりそうだ。つまり、ライバル技術があるからといってSANがいらなくなるわけではなく、SANの知識が必要でなくなるわけでもない。

 ハードベンダやソフトベンダもさまざまなハード、OS、ストレージなどヘテロジニアスな環境での相互接続性などへの取り組みの積極化など、ユーザーの懸念を払しょくしようと活動を行っている。しかし、問題はそれだけではなく、システムインテグレータやユーザーへの啓蒙、教育が重要なことにようやく気づいたようだ。そうした地道な活動が実を結ぶときが、SAN普及の夜明けになるのかもしれない。

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