[Analysis]
現実味を帯びてきたインテルの野望
2002/07/12
インテルは今週、Itanium2を発表した。64ビットCPUとしては同社初の初代Itaniumから1年余が経過し、満を持してのリリースといえるItanium2は、高性能が最大の特徴だ。同社によると、クロック周波数は初代Itaniumと比較して約1.2〜1.25倍アップの900MHz、1GHz、さらに内部キャッシュによって、パフォーマンスは約2倍向上するとしている。
インテルがItanium2で狙うのは、サン・マイクロシステムズやIBMなどのRISCベースのUNIXが独占しているハイエンドのエンタープライズ市場。一般的には、初代Itaniumは期待されていたほどIAサーバ進出の後押しを果たせなかったといわれている。現在、IAサーバは、サーバ出荷台数では8割以上のシェアを誇るが、金額ベースで見るとUNIXサーバに大きく水をあけられている状態だ。新CPUでインテルは対応ハードウェア/ソフトウェアを増やし、再びその市場に挑む。
IAサーバの強みは低コスト。高性能も備えたItanium2の基本アーキテクチャは、将来のItaniumプロセッサファミリ(コードネーム「Deerfield」や「Madison」にも受け継がれ、米ガートナー データクエストは、こうした点を踏まえ、来年にはIAサーバの出荷金額はRISCベースのサーバを上回ると予測している。
だが、インテルがItanium2の特徴を訴えるだけでは市場を獲得することはできない。そのことは同社が一番よく認識しており、パートナー戦略を積極的に展開中だ。オラクルやマイクロソフト、BEAシステムズらとの研究開発レベルからのパートナーシップ、SI事業者との連携、さらにはソリューションプログラムも提供していく体制だ。
「インテルはもはや、デスクトップPCのチップ企業ではない」と言い切る米インテルのソリューション事業担当者は、それでも、エンタープライズでの戦いはかなりの長期戦となると覚悟している。インテルの野望への挑戦は、いま始まったばかりだ。
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