[Analysis]
電子政府システムを発注する政府の実情
2002/08/06
8月1〜2日に都内で日本の電子政府・電子自治体推進の現状や将来の仮題などについて議論する「第2回 電子政府戦略会議」(日本経済新聞社主催)が開催された。
「わが国の電子政府・電子自治体構築への取り組み」と題する総務大臣 片山虎之助氏の講演では、「来年度中に国や地方の各種申請・届け出の多くをオンライン化する」と述べるなど、電子政府実現へと着々と準備が進んでいるようにみえる。
しかし、そうしたシステム構築の発注側となる政府の実情は、心もとないようだ。例えば、要求仕様書をきちんと作成できず、入札前にベンダに仕様や予定価格の相談をする、入札後にベンダに無理をいって仕様書を何度も作り直させる、発注したプロジェクトの管理を適切に行えず、国が発注した案件で納期どおりに稼働したシステムはほとんどない、などということが日常だという。
この状況に危機感を持ったのか、与党自由民主党(自民党)が政府に「電子政府に関する申入れ」を行った。その中に体制整備に関して、各省庁にCIOを置くようにすること、外部の専門家からCIOを補佐する人材を任命することなどが含まれている。
これらの内容は、今年3月に政府のプロジェクトマネジメント研究会がまとめた『プロジェクトマネジメント研究会報告書』でも触れていること。そこではCIOや調達人材の育成などが取り上げられているが、政府関係者によると、「そうした人材は、政府にはいないし、外部にもほとんどいない」という。
こうした人材を早急に育成できるかが、ムダなく効率よく電子政府を実現するための条件となりそうだ。
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