[Analysis]
[Analysis] 各社のストレージ戦略で抜けていること
2002/09/03

今年4月にIBMがストレージ・ソフトウェア技術の今後のロードマップを、5月には日立製作所が新ストレージソリューション・コンセプト「True North」を、8月にはサン・マイクロシステムズが新しいストレージ戦略「Storage One」をというように、相次いで各社がストレージ戦略を発表した。業界の最大手EMCも、昨年新ビジョン「AutoIS」を発表済みだ。
各社の戦略で強調されているのは、業界標準であるCIM(Common Information Model)やBluefinを採用すること、APIを公開すること、それに仮想化(バーチャライゼーション)技術を推進することだ。
各社が業界標準の採用やAPIの公開に踏み切るのは、他社製品との互換性や相互運用性を持たせるため。従来互換性や相互運用性の中心課題はハードウェアだったが、今回はソフトウェア製品レベルへ踏み出している点に特徴がある。これは、ここ数年ヘテロジニアス(異機種混在)環境でのストレージ管理におけるソフトウェアの重要性が一段と増しているためだ。
しかし、仮想化技術は各ベンダ独自の取り組みが中心で、標準化の動きは鈍い。また、CIMなどの標準技術を採用しているとはいえ、その解釈はベンダごとに微妙に異なると指摘するのは、米EMCの副社長 ドン・スワティック(Don Swatik)氏だ。
特に標準を独自解釈することで、自社で拡張した機能などになる可能性が高い。それでは、解釈の違いによって互換性や相互運用性の保証は部分的なものにとどまる可能性がある。互換性などをどう吸収していくのか? 各社の新戦略で問われているのは、発表資料では表れにくい部分をユーザーに説明し、真の意味での互換性を保証する道筋を示せるかどうかにある。
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