[Analysis]
[Analysis] 華やかな舞台からは降りつつあるXML
2002/09/18
約4年という短期間で、XMLは多くの新しいIT関連技術を生み出し、そして早くもスポットライトの当たる表舞台からは去ろうとしている。これからはWebサービスに代表される、XMLをベースにした技術に注目が集まり、XML自身はそれらを支える裏方に回ることになる。
XMLが開発者の目の前から徐々に消えつつあるのは間違いなさそうだ。マイクロソフトの開発ツールであるVisual Studio .NETでは、開発者はXML文書の生成や送信、受信を意識することはほとんどない。Javaに関しても、Java XML Packという形でXML関連のツールやAPIを開発ツールの中に取り込んできており、開発者が意識せずともXMLによるデータの入出力を実現する環境が整い始めている。
一方で、XML関連仕様の進化は複雑さを増してきている。XMLが広く利用されるようになった理由の1つは、その仕様が理解しやすくシンプルであったことだった。しかし最近登場したり、検討されているXML関連の仕様は、XML SchemaやXMLセキュリティに代表されるように、より複雑さや難易度が増している。これらはXMLをビジネスアプリケーションに対応させるために必要な仕様ではあるが、こうした複雑な仕様の実現は、当然ながらアプリケーションの中では開発者や利用者からXMLを隠蔽する方向に働く。
しかし、XMLが開発者から徐々に見えなくなるからといって、開発者にとってXMLの知識が不要になるわけではない。逆に、XMLから生み出される技術に注目が集まることで、XMLは確実にIT関連技術の奥深く、TCP/IPやリレーショナル・データベースと同じように、ITを支える基本技術の1つとして位置づけられていくことになる。
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