[Analysis]

[This Week] ハードベンダ主導のLinuxビジネス

2002/10/08

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 日本IBMがDB2 Universal Database V8.1(DB2 UDB V8.1)を発表した。IBMはロータスとチボリを統合し、DB2とWebSphere、Domino、Tivoliの各製品群で攻勢をかける。

 DB市場のシェアはオラクルがトップの座を死守しているものの(IDC Japan調べ)、オラクルが高い市場シェアを誇るUNIXサーバが伸び悩むとともに、その勢いは止まり、同社の決算低迷の一因ともなっている。一方のIBMは、そうした状況下にもかかわらず、UNIX市場でのシェアを大幅に上昇させているという。

 IBMはこれまで、オラクルに対抗するためDB2の価格やライセンス料金を引き下げ、データマネジメント・コンピテンシー・センター(DMCoC)を設置してパートナー企業に技術情報を提供するなどした。さらに、SAPジャパンと協業強化を図るなど、積極的な攻めの戦略を続けてきた。

 さらに、オラクルの独断場といってもいいデータベースの資格でも、日本IBMがその牙城を徐々に脅かしにかかろうとしている。今年スタートしたばかりのDB2 グローバルマスターは、「目標以上の数」で認定資格者数を増やしているという。もちろん、取得者数は比較にならないが、この分野でもIBMが牙をむき始めたといえる。

 自社のハードウェアと技術にこだわっていたIBMが方針転換し、オープン化とマルチプラットフォーム戦略への転換で手に入れたものは大きい。それによって初めて、IBMはオラクルを揺さぶることができるようになった。その資産と信用をさらに拡大できるのか、同社のほかのミドルウェアとのシナジーを狙った戦略を含め、DB2の今後に注目したい。

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