[Analysis]

[Analysis] ビル・ゲイツ氏の多忙な1週間

2002/11/12

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 先週のビル・ゲイツ氏は、劇的に多忙を極めたことだろう。

 11月7日は、ブロードウェイの劇場を借り切って行われた「Tablet PC」の発表だ。Q&Aセッションで、HP、エイサー、NEC、富士通、東芝デジタルメディアネットワークカンパニーといった重要クライアントの幹部と席を並べながら、ジャーナリストたちの辛らつな質問を笑顔で突っぱねなければならなかった。Tablet PCは「イケル」と思っているジャーナリストはいまのところマイノリティに属する。質問はさぞ激烈を極めたことだろう。ビル・ゲイツ氏のプレッシャーも生半可なものではなかったはずだ。

 この「お祭り」の次の日の11月8日には、シアトルで開催された開発者向けの催し「Object-Oriented Programming Systems Languages and Applications(OOPSLA)」に出席し、基調講演をこなさなければならなかった。

 講演の目玉は、「Visual C# .NET」と「Visual C++ .NET」のロードマップの発表である。デモンストレーションでは、「Scout」(開発コード名)と呼ばれるテストツールとやはり、Tablet PCを披露した。

 Webサービス(同社の呼称ではXML Webサービスだが)においては、Tablet PCを最重要クライアントPCにすえ、Officeをはじめとする同社のすべてのソフトウェアをWebサービス上で連携させると話した。もちろん、開発環境はVisual Studio .NET、.NET Framework、テストツールはScout(仮称)、開発言語は、Visual C# .NETに、Visual C++ .NETである。    つまり、マイクロソフトのすべての製品が、Webサービスめがけて突進することになる。彼はそう言いたかったはずである。

 ビッグニュースを連発するマイクロソフトの本気度を推し量るには、ビル・ゲイツ氏の運動量をつぶさに観察するに限る。先週の頑張りぐあいを見る限り、どうやらマイクロソフトは本気のようだ。

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