[Analysis]
アラン・ケイ、天才の復活
2002/12/03
11月26日(米国時間)、ヒューレット・パッカード研究所がアラン・ケイ氏を迎えたというニュースが全世界を走った。アラン・ケイ氏といえば、オブジェクト指向プログラミングやGUIの原型など、現在主流となっているコンピュータの基礎技術開発のキーパーソンとして有名だろう。
彼は昨年(2001年10月)来日をした。その時に熱く語ったのは、子ども向けのプログラミング言語「Squeak(スクイーク)」の研究・開発について。スクイークのコンセプトは、1960年代に彼が考案した理想的なパソコンのあり方“Dynabook”の概念を受け継いでいる。
このDynabookこそ、先ごろマイクロソフトがリリースしたTablet PCの基本概念に他ならない。Tablet PCは、ヒューレット・パッカードのカーリー・フィオリーナCEOをして、「セクシーな製品」と言わしめた代物だ。40年前に概念を生み出した当人であるアラン・ケイ氏を自らの懐に招きいれ、潤沢な資金を投入することで、“本物のTabletPC”を開発しようとする強力な意思の力が感じられる。
マイケル・カプラス社長の離脱とアラン・ケイ氏の参入という計算式は果たして、プラスの答えを導き出すのだろうか。いずれにしても、Tablet PCの成否を大きく左右する可能性がヒューレット・パッカードに出てきた。
ヒューレット・パッカードは、アラン・ケイ氏の仕事内容に口を出さないという協定を結んでいる。天才の扱いは難しそうだ。
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