[Analysis]

IT関連セミナー“満員御礼”が物語ること

2003/03/25

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 ベンダやシステム・インテグレータ(SI)が主催するセミナーがどれも大盛況だ。会場には企業のシステム担当者らが詰め掛けて、説明を熱心にメモする姿が見られる。事前申し込みの段階で満席になって、来場を断るセミナーもあるほどだ。IT投資の抑制が続く中でも、企業の投資マインド自体は強いということを物語っているようだ。

 IT関連のセミナーで一般的なのは、最初にIT調査会社のアナリストや、技術に詳しい大学教授がITの最新トレンドについて基調講演を行い、次いで主催企業が自社のソリューションや製品についてプレゼンテーションを行うという内容だ。

 もちろん、このプレゼンで来場者にソリューションへの興味を持ってもらい、営業につなげるのがセミナー開催の目的。基調講演で多いのは、主催企業が提供するソリューションが必要とされるバックグラウンドの説明だ。来場者がベンダに興味を持つよう、基調講演で動機付けをするわけだ。

 セミナー自体は無料開催がほとんど。主催企業は来場者の名刺とアンケートを手に入れ、営業につなげることで、セミナーの開催費はペイできると考えているのだろう。では、来場者は何を求めてセミナーに出席しているのか。IT関連のセミナーは短いものでも半日はかかる。大規模なセミナーではホテルの会場に1日中、缶詰になることもある。    来場者の多くは主催するベンダやSIが提供するソリューション、製品に興味があってセミナーに参加しているのだろう。企業のIT投資は慎重な姿勢が続いているが、セミナーの説明を聞くことで、自社にとって最適なソリューションを探そうと必死になっているのだ。IT投資の失敗は企業にとって大きな損害となる。来場者の積極的な姿勢は、貴重なIT投資を有効かつ適切に使おうとしている、と考えることができるのではないか。

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