[Analysis]
通信業界に強いネットワークベンダ、戦略に変化
2003/04/15
最近、ネットワークベンダのノーテルネットワークスとリバーストーン・ネットワークスが記者発表を行ったが、その中に共通したメッセージがあった。それは、「今後、一般企業(特に大企業)向けにも力を入れる」というものだ。
ネットバブルの崩壊や米国における不正会計などの影響は、ネットワークベンダ最大の顧客である通信会社を直撃した。両社はこれまでも一般企業向けにも販売してきたが、記者会見などで企業向けに注力している姿勢をアピールし、営業活動をさらに活発化させようという狙いがあったようだ。
では、なぜ大企業をターゲットにするのか。それは、企業のネットワークが大規模化し、ネットワークの利用形態も多様化してきていること、それに伴い企業内でやりとりするデータ量が大幅に増加したことなどから、大企業は信頼性と低コストの両方を兼ね備えた製品、ソリューションを求め始めている。そして、それにこたえられるのが、通信会社から高品質かつ高信頼性を要求されている自分たちの製品、ソリューションだと述べる。
しかし、ノーテルやリバーストーンが企業向けを強化するのは、通信業界向けが振るわず、業績の悪化が続いている、という個別の事情もある。同じように企業向けにも力を入れているファウンドリーネットワークスの場合は、「最初から企業向けもターゲットにしていた」(物産ネットワークス マーケティング部)といい、多少ニュアンスは異なるものの、両社の戦略に近い。
しかし、ジュニパーネットワークスは、「エンタープライズ向けに注力することは考えてない。通信業界から高い評価を得ており、同分野に今後も力を入れる」(同社マーケティング部)という。
ノーテルなどの動向が大企業向けを得意とするネットワークベンダにも影響を及ぼすまでに至るか。今後の動向に注目したい。
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