[Analysis]

Webサービス、普及への道

2003/05/13

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 “次の波”として挙げられ続けるWebサービス。サーバ環境や開発環境などの多くはWebサービス対応をうたい、Webサービス実現への道は近づいた。それでも多くのユーザーは、Webサービスをまだ様子見をしている段階ではないだろうか。だとしたらその原因は何か。原因のすべてではないにしても、その大きな理由の1つに、各ベンダの製品を利用して、実際に問題なく接続できるのかどうか、という点もあるだろう。

 XMLコンソーシアムは、先週実データを利用したWebサービスの接続実験を行い、実験が成功したと発表した。この実験に参加したのは12社。利用された製品は、集配信サーバとして「IBM WebSphere Application Server V4.05」「Oracle9i Application Server Release 2(9.0.3」、そして「Windows Server 2003 Enterprise Edition RC2」、ポータルサーバとして「NEC ActiveGlobe WebOTX Ver5.1」「Hitachi Cosminexus Application Server Version5」「Fujitsu Interstage Application Server V5.0L20」、そして「Microsoft .NET Framework 1.0」など、さまざまなベンダの製品が名を連ねた。

 実験の目的は、Webサービスが実際のビジネスで利用できるかどうかを検証することにあった。各ベンダが各社の製品間での接続に問題はないと主張しても、ユーザーが実際に検証するのは難しい。しかし、コンソーシアムという形であれば、ユーザーの懸念を晴らし、採用意欲への第一歩となり得るかもしれない。その意味でコンソーシアムでの検証実験は大きな収穫があった。

 接続実験では、WSDLの策定に大変な労力を必要としたことをXMLコンソーシアムが明らかにした。具体的には、WSDLがアプリケーションの仕様(情報モデルの変更やAPI引数の定義、データ定義と実データの不一致など)や製品実装(クラス・バインディング、サービス・ディスパッチ方式、サーバ側WSDL取り込み機能)に依存するため、それらの変更が即WSDLの変更に結び付くことだ。しかし、こうした“負の情報”も公開されることでユーザーの信頼感を醸成できるようになるかもしれない。それがWebサービス利用を促す一里塚になるのではないか。

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