[Analysis]
“情シス部”が危ない!?
2003/06/03

企業のIT管理を行う「情報システム部」の危機が伝えられる。危機の要因は、企業が社員の新規採用を控えていることによるスタッフの高齢化やITシステムの陳腐化。ITがビジネスの効率化だけでなく、ビジネス自体の推進役として期待される中で、情シス部の衰退は企業全体の推進力低下にもなりかねない。もちろん、企業のトップやCIOの中にはITの重要性を認識し、情シス部の強化に乗り出すケースもあるだろう。しかし、企業の多くは情シス部を強化したくても、投資対効果を考えるとなかなかできない、というのが実情だ。
ITの管理部門を社内に持たず、ベンダやシステム・インテグレータ、コンサルティングファームにIT管理をアウトソースするという流れも出てきた。サーバやストレージなどをリースに切り替えて、できるだけIT資産を持たないのは一般的。IT管理という直接収益を生まない“非生産的”なことは外部に任せて、社員はコアのビジネスに集中しよう、という考えは今後広がることが予想される。こうなると情シス部はリストラ対象の部門。分割して情報システム子会社になるか、金融業で先行しているようにライバル会社の情報システム子会社と合併する、ということになりかねない。
情シス部が生き残るには、ビジネスに対する貢献を社内外に積極的にアピールすることが大切だ。インテルは毎年、情シス部の貢献を示す報告書を作成し、外部にも公開している。インテルのIT部門では、社員に対して満足度の調査を実施。システム稼働率や社内コールセンターの解決率、PC提供の達成率などを数値化して評価した。目標点に達しない項目については、対策を再検討し、満足度の向上に努めている。つまり、情シス部はインテル自身を自らの顧客と位置づけて、サービスを提供しているのだ。インテルは、2006年までに社内の特定ビジネスプロセスでインテルの生産性を50%向上させ、PC1台当たりのコストを50%削減することを目指している。
規模の大小はあってもインテルのような取り組みは可能だ。情シス部の社内外での貢献が認められれば予算額の増大につながる。ITシステムに関する社内満足の向上が情シス部の再生になり、ビジネスの推進力アップにつながるのではないだろうか。
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