[Analysis]

富士通、Linuxへのラブコールの本気度

2003/07/29

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 先週のニュースランキング第1位は「“情報家電はLinuxかトロンにしてくれないか”と訴える経産省」で、第2位は「富士通、Linuxに熱烈なラブコール」。ともにLinuxに関連する記事だったが、ここでは富士通のLinuxへの本気度を考えてみたい。

 7月8日、富士通の社長に就任した黒川博昭氏が会見を行った。そこで今後注力する分野の1つとして挙げたのはLinuxだった。同社は、汎用機ビジネスを抱え、サン・マイクロシステムズとの関係も深く、それらの売り上げは無視できるものではない。それでも同社は「基幹系にLinuxを」という戦略を推し進めようとする。

 黒川社長は、会見で「ライバルは率直にいえばIBM」と発言したが、本音はこれ以上IBMとの差を広げられたくないとの思いだろう。その差を埋めるキーワードは、「お客様起点」「スピード」、それに「シンプル」だ。この3つのキーワードは、同社のLinux戦略が成功するか否かの試金石にもなる。富士通は汎用機ビジネス、サン・マイクロシステムズへの“遠慮”という政治的な判断と、3つのキーワードとのバランスをどのように取るのだろうか。それにより、富士通のLinux戦略の本気度も見えてくるだろう。

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