[Analysis]

IP電話は“もしもしはいはい”を超えて

2003/10/28

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 企業へのIP電話導入が本格化してきた。東京ガスの導入などがIP電話の大規模導入事例として知られているが、最近は数千台規模の導入は当たり前になりつつある。導入を担当するシステム・インテグレータの導入実績も増えてきて、依然聞いたようなIP電話導入をめぐるトラブルはほとんど聞かれなくなった。

 導入先企業も広がってきた。IP電話の導入を検討する企業はこれまでは大企業が中心だったが、フリービットが月額1万円前後で利用できるIP電話サービスの開始を発表。フリービットの「FreeBit OfficeOne IPビジネスホン」は5人から利用可能。既存のネットワークを変更することなくIP電話を利用でき、初期投資コストを抑えられるなど中小企業が利用しやすいように工夫してある。

 IP電話は当初は通話料の安さが注目を集めた。次いで内線電話の変更が簡単になることや、PBXのメンテナンスコストなどTCOの低さが企業の導入を後押しした。しかし、これらは従来の音声電話である“もしもしはいはい”の電話と比較したうえでのコストメリットだ。IP電話とメッセージングツールとの連携、CRMと連動した利用など、企業の生産性を向上させるツールとしてのIP電話の利用は、まだまだといっていいだろう。キャリアや通信機器ベンダの間では、生産性向上ツールとしてのIP電話をめぐる新たな競争が今後、始まるのではないか。

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