[Analysis]
ITをユーザー視点で説明できているか?
2003/11/18
IT企業の経営者やエンジニアに話を聞くと、いま最も求められているエンジニアは、「ユーザーの視点に立ち、ITを一般の言葉に翻訳できる人」といった回答が多い。つまり、ヒューマンスキルが重視されているのだ。これは、システムインテグレータやベンダが、より上流へシフトしようという戦略の表れでもあるだろう。
しかし、IT企業のTVコマーシャルやビジネス誌の広告をみると、ITを言い換えたり、翻訳した言葉はあまりみかけない。企業のWebページでも、CIOなどの経営層に向けたページ(つまり自社のITやソリューションを分かりやすく説明したページ)をほとんど目にすることがない。多くの企業は、「ユーザーの視点でITを一般の言葉に翻訳できる」ことをエンジニアに求めているが、企業には求めていないようだ。
5年ほど前、当時米国で100万部以上の売り上げを誇ったPC雑誌の編集長と話したことがある。「米国のビジネスマンは、『FORTUNE』や『BUSINESS WEEK』といったビジネス誌のほか、PC雑誌を読むのも必須になっている」と、その編集長が語っていたことを思い出す。
日本の企業は、そんな米国におけるユーザーのIT知識を基準=グローバルスタンダードと考えているのだろうか。日本でも「ITを理解しなければ」という認識が広がりつつあるが、その歩みは決して速いとはいえない。とすれば、IT企業こそユーザーの視点で物事を語らなければならないように思うのだが……。
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